福岡市南区に位置する野多目大池は、市内最大級の農業用溜池でありながら、古くから数々の奇妙な目撃談や不可解な出来事が語り継がれている。夜になると現れる人影、無音で漂う飛行物体、そして自宅まで付きまとう“何か”——。今回は、野多目大池にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
野多目大池とは?

野多目大池は、福岡市南区に存在する市内最大級の農業用溜池である。
その規模は圧巻であり、池の周囲には自然が広がり、カモやカメ、鯉、さらには特別天然記念物であるコウノトリやカワセミの姿も確認されるなど、鳥類の楽園とも言える。
一周約2キロメートルの池周辺には散策路が整備されているが、周囲の3割ほどは住宅地を経由するため、完全な自然環境ではない。
また、トイレや無料駐車場といった設備はなく、利便性に乏しい点も特徴の一つである。
水位は季節や天候により大きく変動し、特に冬季には水が干上がることも多いため、干潟のような景観になることもある。
しかし、この池には自然の美しさとは裏腹に、得体の知れない恐怖が棲みついているという。
野多目大池の心霊現象
野多目大池の心霊現象は、
- 真冬の夜中に、人気のない池のほとりに男の霊が立ち尽くしていた
- 巨大なUFOが池の上空に出現し、無音で移動していった
- UFOを見た後、自宅まで“何か”に付けられた
- 複数回にわたり、池の上空に正体不明の飛行物体を目撃
である。以下、これらの怪異について記述する。
野多目大池の周囲は、夜になると人通りがほとんど途絶える。
街灯も乏しく、闇が辺りを支配する中、池の水面だけがわずかに光を反射している。
その静けさは異常なほどであり、耳を澄ませば、水音すらも聞こえないことがあるという。
ある冬の夜、深夜にもかかわらず池のほとりに「男の人」が立っているのを見たという証言がある。
その場には店もなければ人気もない。
いるはずのないその人影は、まるで時間が止まったかのように動かず、ただじっと一点を見つめていたという。
寒さで息が白くなるほどの気温の中、その男の口元からは息すら出ていなかった……。
また、別の日には巨大なUFOが池の上空に現れた。
見上げれば、夜空の高い位置に、音もなく浮かぶ巨大な黒い影。
その存在に気づいた目撃者は、恐る恐る手を振ったが、UFOは無反応のまま漂い、やがて音もなく姿を消した。
しかし、安心したのも束の間、自宅に戻る途中、何者かに“付けられている”感覚に襲われたという。振り返っても誰もいない。
ただ、確かに“何か”が背後にいた——そんな確信だけが、ぞっとする記憶として残された。
その後も、野多目大池では複数回にわたりUFOと思しき飛行物体が目撃されている。
それらはどれも池の上空、特に高い位置に出現するという。共通しているのは、いずれも“無音”であったという点だ。
まるでこの池が、常識では説明できない何かの「出入り口」であるかのようである。
野多目大池の心霊体験談
福岡市在住のある男性は、休日に家族とカレーを作るため買い出しに出かけた帰り、野多目大池に立ち寄った。
池に鳥を見に行こうと、ふと車を止めた瞬間、異様な静けさと圧迫感に気づいたという。
普段は鳥が多く飛び交う池なのに、その日に限って、あれだけ騒がしいはずの鳥の鳴き声が一切しなかった。
息子が「コウノトリがいる!」と指をさした方向には確かに鳥の姿があったが、その背景にぼんやりと浮かぶ“黒い影”にも彼は気づいていた。
気のせいだと思いながらその場を離れたものの、帰宅後もずっと誰かの視線を感じていたという。
野多目大池の心霊考察
野多目大池は、自然に囲まれた静寂の地でありながら、異常な体験談が後を絶たない。
特に注目すべきは、「人の気配」と「無音のUFO」という、通常交わるはずのない二つの現象が交差している点である。
池の水位の変動は自然現象にすぎないかもしれない。
しかし、「人の気配がするのに姿が見えない」「声なき飛行物体が上空を漂う」「無音のまま家まで付けてくる」など、理屈では説明しきれない“空白”が、この池には存在している。
もしかするとこの場所は、霊的なものと異界との境界がもっとも曖昧になる、いわば“結界”なのかもしれない。
冬の冷たい空気にまぎれて現れる“あの男”や、“音もなく現れ消える存在”たちは、我々の住む現実のすぐ隣に潜む、もう一つの世界からの来訪者なのだろうか。
軽い気持ちで近づけば、二度と戻れないかもしれない——野多目大池は、そうした異界の入り口である可能性が高い。
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