長崎県佐世保市の冷水岳公園は、家族連れに人気の絶景スポットである一方、地元では“自殺の名所”としても知られ、数々の心霊の報告があるという。今回は、冷水岳公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
冷水岳公園とは?

冷水岳公園(ひやみずだけこうえん)は、長崎県佐世保市の西側に位置する自然豊かな公園である。
標高約340メートルの冷水岳の山頂付近に広がり、園内には芝生広場や草スキー場、アスレチック施設、野外ステージなどが整備されている。
春にはツツジが咲き誇り、ゴールデンウィークには多くの観光客で賑わう。
また、園内奥にある展望台からは、九十九島や平戸、五島列島までを望む壮大なパノラマが広がる。
一見すると、家族連れや観光客が集う平和なレジャースポットである。
しかしこの場所には、長年囁かれ続ける“もう一つの顔”がある。
それが、心霊の名所としての冷水岳公園である。
冷水岳公園の心霊現象
冷水岳公園の心霊現象は、
- 展望台付近に現れる女性の霊
- 霊が見えなくても寒気を感じるという証言
- 夜中に自殺者の霊とされる血まみれの人物が出現
- 地元では西海橋と並ぶ“自殺の名所”として知られる
である。以下、これらの怪異について記述する。
最も多くの怪異が報告されているのは、公園の最奥部にある展望台である。
昼間でもその場所は妙に静かで、風もないのに鳥肌が立つと語る者が少なくない。
とりわけ夕方から夜にかけては異様な雰囲気に包まれ、訪れる者の足をすくませる。
この展望台周辺では、白い服を着た女性の霊が佇んでいるのを見たという証言が複数ある。
誰もいないはずの階段の先に一瞬だけ姿を現し、次の瞬間には消えるという。
また、展望台にたどり着いた瞬間に背筋を氷のような冷気が走ると語る者もいる。
霊は目に見えるものばかりではない。「何かいる」としか言いようのない“気配”がそこにあるのだ。
特に恐ろしいのは、夜間に展望台へと続く道で起きたという目撃談である。
ある若者が深夜に肝試しを兼ねて訪れたところ、上からふらふらと降りてくる血だらけの人物とすれ違ったという。
その人物は顔が真っ赤に染まり、虚ろな目で彼を見つめたという。
そして声も発さず、闇の中へと消えていった。
後に聞いた話では、その道はかつて自殺が多発した“飛び降りの崖”へと続いていたのだという。
地元では、西海橋と並び冷水岳公園は“自殺の名所”と恐れられている。
高所恐怖症でなくとも、あの断崖から下を覗けば足がすくむ。
その場所で数多の命が消えたとすれば、今なおそこに未練を残した霊たちが留まっているとしても、不思議ではない。
冷水岳公園の心霊体験談
地元の男性A氏(仮名)は、深夜に展望台へ向かう途中、異様な寒気とともに背後から誰かに見られているような感覚に襲われたという。
周囲には誰もいなかったはずなのに、確かに足音が自分のすぐ後ろで鳴っていた。
振り返っても誰もおらず、だが足音だけはずっと続いていたという。
A氏はその場から逃げ出し、以来二度と夜の冷水岳には近づいていない。
冷水岳公園の心霊考察
冷水岳公園の怪異の中心は、間違いなく展望台周辺に集中している。
この場所は観光スポットである一方、自殺の名所という陰の顔も持つ。
高所であるがゆえに命を絶つ選択をする者が後を絶たなかったのかもしれない。
そしてその怨念が、形を変えて“霊”として現れている可能性が高い。
霊は、目に見えるものだけではない。冷気、気配、不可解な音──これらすべてが「ここには何かがいる」という証拠となる。
冷水岳の名が示すとおり、そこは“冷たき水の気”に包まれた場所なのかもしれない。
その冷たさは、もはや物理的なものではなく、人の心にまで忍び込む“霊の冷気”であると考えられる。
冷水岳公園。そこは昼と夜でまったく異なる顔を持つ場所であり、無邪気に近づけば、何かを連れ帰ってしまうかもしれない。
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