深山の滝のウワサの心霊話

広島県呉市にひっそりと佇む深山の滝には、古くから数多の心霊話が語り継がれている。少年の霊の目撃談、血の色に染まる滝、武士の子孫を拒むかのように刻まれる不可解なアザ――。今回は、深山の滝にまつわるウワサの心霊話を紹介する。


深山の滝とは?

深山の滝の外観

深山の滝(みやまのたき)は、広島県呉市にある上下二段からなる滝である。

上段の滝は高さ10.5メートル、下段は14メートルに達し、幅およそ20メートルもの一枚岩を透明な水が滑るように落下する。

瀬戸内海から標高250メートルの中国山地に向かい、谷頭侵食が進む地形に形成された滝であり、小河川としては異例な規模を誇る。

水量は決して多くはないが、岩肌が滑らかであるため、滝は音もなく降り注ぐように流れ、時折虹を描きながら白い水煙を上げる。

現在は2018年の西日本豪雨による復旧工事の影響で、滝へと続く道は封鎖されている。


深山の滝の心霊現象

深山の滝の心霊現象は、

  • 少年の霊が現れる
  • 武士の子孫は決して訪れてはならない場所とされる
  • 武士の血を引く者が知らずに足を踏み入れると、身体に不気味なアザが浮かび上がる
  • 滝の水が突如として血の色に変わる幻視を霊感の強い者が体験する
  • 滝で写真を撮ると、現地にはいないはずの無数の蛇のような影が写り込む

である。以下、これらの怪異について記述する。

深山の滝には、時折濡れた黒髪の少年の霊が現れ、滝壺付近を歩き回っている姿が目撃される。

彼は決して声を発することはないが、滝音の合間にすすり泣く声が混じるとも言われる。

また、この滝は古来より「武士の血筋を引く者が決して訪れてはならぬ地」とされてきた。

理由は定かではないが、実際に旧士族の家系の人間が何も知らずに滝を訪れた後、身体のあちこちに紫黒いアザが現れたという話が複数伝わっている。

霊感のある者がこの滝を訪れると、流れる水が血のように赤く染まる幻視を見ることがある。

ある霊能者は、滝の上まで必死に逃げたお姫様と家老、老女が追手に迫られ、やむなく自害する光景を鮮明に見たという。

これは、郷土史に残る悲劇と不気味な符合を見せている。

さらに、滝で水遊びをしている子どもの写真を撮ると、そこには現地にいないはずの無数の蛇のような影が取り巻くように写ることがある。

実際に、その写真は恐ろしくてすぐに神社へ持ち込まれ、お焚き上げに出された。


深山の滝の心霊体験談

ある霊能を持つ女性が呉市へ転居して間もなく深山の滝を訪れた際、滝の水が血の色となり、そこに立派な装束のお姫様が家老や老女を伴って必死に滝の上まで逃げる姿が見えた。

そして追っ手に迫られ、刃を自らの喉元に当てる直前の様子までが見えたという。

後にその情景は、地元の古い記録『芸藩通史』に記されている出来事と一致した。

また、深山の滝について母親に尋ねた人物は、幼い頃に母に連れられて滝を訪れ、水辺で遊んでいる写真を撮られたという。

しかし後日、その写真には水中を取り巻く無数の蛇のような影が写っており、母は恐れおののいて神社へ持参し、焚き上げてもらった。

別の若者は「武士の子孫は滝に行ってはいけない」と地元の年配女性に忠告されたが、それを軽んじて友人と深夜に訪れた。

すると同行した四人のうち二人、さらに本人の身体にも原因不明のアザが出現した。

後日調べると、自分ともう一人は旧士族の家系だったという。

知らずとも、相手には見抜かれている――それを痛感した体験であった。


深山の滝の心霊考察

深山の滝にまつわる怪異は、単なる伝承の域を超えているように思える。

少年の霊、お姫様の悲劇、武士の血筋への執着、そして蛇のような影――これらはそれぞれ別個の現象のように見えて、地下に眠る怨念の大きなうねりが引き寄せた結果なのではないだろうか。

水は古来より、異界への通い路とされる。

透明で清らかな水が、一瞬にして血の色へと変わる幻視は、滝そのものが血を求める意思を持つことの現れかもしれない。

旧士族の血を見逃さず、アザという印を刻むのもまた、その地に刻まれた因縁が生き続けている証左といえよう。

深山の滝はただの景勝地ではなく、今なお人知の及ばぬ禍々しさを湛えた場所なのである。


深山の滝の地図

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