長崎市にある大浦中学校には、今も語り継がれる数々の心霊ウワサが存在する。とくに「這い登る女子生徒の霊」の話は地元ではあまりにも有名であり、卒業生の間では実際に見たという証言も後を絶たない。今回は、大浦中学校にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
大浦中学校とは?

長崎市高丘二丁目に位置する「長崎市立大浦中学校(ながさきしりつおおうらちゅうがっこう)」は、公立中学校として地域に根ざしてきた歴史ある教育機関である。
その起源は戦時中の1943年(昭和18年)に遡り、「長崎市大浦国民学校」の高等科として設立されたのが始まりである。
1947年の学制改革により現在の名称となり、2012年には創立65周年を迎えている。
「感性豊かで、主体的に行動する生徒の育成」を校訓に掲げ、教育目標を明確にしているが、その静かな校舎の裏には、時折耳を疑うような戦慄のウワサが囁かれている。
大浦中学校の心霊現象
大浦中学校の心霊現象は、
- 夜間、校舎内に現れる少年の霊
- 校内で起きた転落事故により命を落とした女子生徒の霊
- グラウンドでのサッカー部を襲った“這い登る”霊の出現
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず「少年の霊」について。放課後、人気のなくなった校舎の廊下に現れるというこの霊は、誰もいないはずの暗い廊下を無言で歩く姿が目撃されている。
足音が床を叩く音だけが響き、姿が見える頃にはもう逃げることもできないという。
次に語られる「心霊のウワサ」は、地元の人々の間で代々伝えられているものである。
その内容は年代によって微妙に変化しているが、共通して語られるのは「大浦中には何かが棲んでいる」という恐怖の核である。
そしてもっとも有名なのが、「転落事故で亡くなった女子生徒の霊」である。
昭和のある時期、学校の上階から転落した少女がいたという。
彼女は即死だったというが、その死の直後から、生徒の間で「女子トイレに誰かが立っている」「窓に映る誰かと目が合った」といった異変が頻発し始めたのである。
なかでも語り継がれているのが、ある夕暮れ時のサッカー部の体験談である。
練習を終えた部員たちが、いつものようにグラウンドで校歌を合唱していた。キャプテンが前に立ち、校舎を背に並ぶメンバーたち。
しかし、途中でキャプテンの顔色が変わり、凍りついたように動かなくなった。
そして突然、「後ろを見るな!」という叫び声が響いた。
しかし、恐怖に駆られた一人の部員が思わず振り返ってしまった――そこには、夕闇に染まる校舎の壁を這い登る“何か”がいた。
中ほどの窓から、下から上へと、リングの貞子を彷彿とさせるような、髪を垂らした女生徒が、苦悶の表情を浮かべながら這い上がっていたのだ。
大浦中学校の心霊体験談
当時、その場にいたサッカー部員の証言は次のようである。
「合唱の途中でキャプテンが変な顔して固まった。『後ろを見るな!』って言われて、全員そのまま固まったんだけど、俺だけ怖くて見ちゃって…。そしたら校舎の窓に、白い顔の女の子が、這い上がってるんだよ…這うって言っても、まさにリングの貞子みたいな感じで。もう二度とあのグラウンドには立ちたくなかった」
彼の表情は今もその瞬間を思い出すたびにこわばるという。
大浦中学校の心霊考察
大浦中学校にまつわる心霊話は、単なる都市伝説にとどまらず、いくつもの証言や目撃談によって補強されているのが特徴である。
とくに「這い登る女生徒の霊」に関しては、複数の卒業生や部活動の関係者が同様の現象を語っており、集団心理の錯覚とは思えないほどの信憑性がある。
また、転落事故の背景には、報道されなかった学校内のトラブルがあったのではないかとも囁かれている。
怨念や無念を残したまま亡くなった者の魂が、いまも校舎の一部に留まり続けている可能性は否定できない。
「後ろを見るな」という叫びが、何か“見てはいけないもの”がこの学校にはいる、という無言の警告だったのかもしれない。
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