長崎県長崎市にかつて存在した「長崎県亜熱帯植物園」には、今もなお語り継がれる恐ろしい心霊のウワサがある。深夜、植物園近くの崖に現れるという“巨大な女の顔”とは一体何なのか。今回は、長崎県亜熱帯植物園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
長崎県亜熱帯植物園とは?

長崎県亜熱帯植物園(のちのサザンパーク野母崎)は、長崎県長崎市にかつて存在していた植物園である。
1969(昭和44)年6月に開園し、東京ドーム7個分という広大な敷地に、約1,200種類・45,000本の亜熱帯植物が植栽されていた。
園内には温室のほか、モノレール、古代樹滑り台、吊り橋、洞窟型展示施設など、子どもから大人まで楽しめる空間が広がっていた。
洞窟内部には、蛍光石や不気味なドウクツギョの展示もあり、どこか異界との境界を思わせる雰囲気が漂っていた。
また、この場所は「西日本のコスプレ聖地」としても知られ、数多くのイベントが開催されていたが、その華やかさとは裏腹に、不穏なウワサが囁かれ続けていた。
1991(平成3)年から2006(平成18)年にかけて、台風や集中豪雨による度重なる地すべりが発生し、修繕費が膨大となったため、2017(平成29)年3月をもって閉園。
温室こそ解体されたものの、今なお園内には植物が自生し、静かに息づいている。
しかしこの静寂こそが、恐怖の始まりとも言えるのかもしれない。
長崎県亜熱帯植物園の心霊現象
長崎県亜熱帯植物園の心霊現象は、
- 午前3時ごろ、植物園から少し下った道脇の崖に「巨大な女の顔」が浮かび上がる
- その顔を目撃すると、不可解な事故に遭うと言われている
である。以下、これらの怪異について記述する。
長崎県亜熱帯植物園の敷地は、今では静まり返った廃園となっているが、園の少し下、山道のカーブ沿いに位置する崖が、今では“呪われた場所”として語られている。
そこに現れるのは、深夜3時、最も霊が動き出すとされる「丑三つ時」。
月も隠れ、辺りは完全な闇に包まれた頃、ふと道路脇の崖を見上げると、そこには常軌を逸した「巨大な女の顔」が浮かび上がるという。
輪郭は曖昧で、瞳は虚ろに見開かれ、口は何かを訴えるようにわずかに動いている。
しかし、声は届かない。目が合ってしまったが最後、凍りつくような寒気と共に、不可解な事故や怪我に見舞われるとされる。
この顔は、ただの幻覚ではない。実際にその後事故に遭ったとされる目撃者が後を絶たないため、地元の住民からは「絶対に深夜には近づくな」と忠告されている。
また、事故の内容も奇妙なものが多く、ハンドルが勝手に取られる、ブレーキが利かなくなる、車内に得体の知れない異臭が充満するなど、単なる交通事故では説明できない事例も多い。
長崎県亜熱帯植物園の心霊体験談
地元に住む30代男性の話によれば、数年前、肝試し半分で友人とその崖の近くまで車で出かけたという。
時間はちょうど午前3時。窓を開け、ライトを消して目を凝らしていたところ、確かに、闇の中に“何か”が浮かんでいたという。
それは、ぼんやりと光を放つ女の顔であり、目がこちらを見ていた。
瞬間、友人が突然悲鳴を上げ、車のエンジンが急に停止。
再始動を試みるが、何度キーを回してもエンジンはかからず、窓の外にはずっと“彼女”の顔があったという。
結局、翌朝まで車内に閉じ込められた状態で過ごしたという彼らは、その後長い間原因不明の体調不良に悩まされたという。
長崎県亜熱帯植物園の心霊考察
この心霊現象について、いくつかの仮説が立てられる。
まず、植物園が立地する地形は、過去に度重なる地滑りを引き起こしている。
大地のエネルギーが不安定な場所であることは確かであり、その“乱れ”が霊的な現象を呼び寄せている可能性は高い。
次に、かつて園内で展示されていた洞窟や炭鉱モチーフの空間には、地下に向かう“負の気”が流れていたとも言われており、こうした場所には霊が集まりやすいともされている。
そして、何より“巨大な顔”という存在が象徴するものは、「見てはならないもの」「見てしまえば代償を払わねばならないもの」である。
それが、元々この地に眠っていた何かの怨念であるのか、閉園とともに忘れられた記憶の残滓なのかは分からない。
だがひとつ確かなのは、「見た者には何かが起こる」という事実である。
だからこそ、今もその場所は“静かに恐れられている”のである。
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