出雲大社の近くにある奉納山公園は、美しい展望が広がる観光スポットとして知られる一方で、自殺の名所としても語られてきた場所である。今回は、奉納山公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
奉納山公園とは?

奉納山公園は、島根県出雲市にある小高い丘に整備された公園である。
昭和30年(1955年)に開園され、山頂に設けられた展望台からは、稲佐の浜や弁天島、さらには三瓶山までも一望できる絶景スポットとして知られている。
また途中には、出雲阿国を顕彰した「於国塔」があり、昭和11年に歌舞伎界の名優たちの寄付によって建立され、昭和43年に再建された由緒ある建造物である。
だがこの美しい風景の裏には、長年語られ続ける不穏なウワサが存在している。
奉納山は、古くから首吊り自殺が相次いだ山林として地元では有名であり、今や“出雲の心霊地帯”として名を馳せるようになってしまったのである。
奉納山公園の心霊現象
奉納山公園の心霊現象は、
- 女性の霊が現れる
- 林の中で謎の光が目撃される
- 駐車場で焼身自殺の痕跡が語られている
- 車で登る途中、全身に鳥肌が立ち震えが止まらなくなる体験
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も多く語られるのが、「女性の霊」の目撃談である。
山頂に向かう途中の林の中、あるいは展望台近くで、着物を着たような影のような存在がこちらを見つめていたという報告が複数ある。
声をかけようとした瞬間、その姿はふっと霧のようにかき消えるという。
次に語られるのは、林の中で突如として出現する「謎の光」である。蛍ではない。
街灯もない。だが人間の目の高さでぼんやりと光る球体が、音もなく浮かんでいるという。
追いかけようとすると、まるで逃げるかのように奥へと進んでいくという証言が残っている。
さらに、山の中腹にある駐車場では、かつて焼身自殺があったとされており、その場所に車を停めるとエンジンが急にかからなくなった、車内が焦げ臭くなった、などの怪現象が報告されている。
ある者は、窓に手の跡のようなものが突然浮かび上がるのを見たという。
そして何より恐ろしいのは、奉納山を車で登ろうとした際に、多くの人が体験している「鳥肌と震え」の現象である。
ある女性は、エンジンをかけて坂道を上り始めた瞬間、全身が急激に冷たくなり、背中から首筋にかけて寒気が走り、車を停めざるを得なかったと語る。
奉納山公園の心霊体験談
実際に奉納山を訪れたある男性は、昼間であったにもかかわらず、林の奥から「誰かが見ている」ような強い視線を感じ、足を止めたという。
目を凝らして見ると、木と木の間に、女の顔のようなものが浮かんでいた。
その顔は笑っていたが、目は笑っていなかった。青白く、どこか悔しそうな、恨めしそうな表情をしていたという。
気づいたときには、足が震えてその場から動けなかったそうだ。
同行していた友人に背中を叩かれて我に返ったが、後でその友人は「誰もいなかった」と語っていたという。
奉納山公園の心霊考察
奉納山公園で語られる霊的現象の数々は、単なる偶然とは思えない一致を見せている。
場所、体験の内容、そして感覚が極めて似通っているのだ。
とくに、山林での自殺が過去に複数発生していること、そして焼身という強い負の感情が込められた死があったことが、霊的エネルギーの蓄積を引き起こしていると考えられる。
また、奉納という名称がつくことから、この山自体が古くから信仰や供養の対象であり、人々の強い念が込められてきた土地であることも関係しているのかもしれない。
出雲という神話の土地にあるからこそ、神と霊、聖と呪が紙一重で混ざり合う地でもあるのだろう。
人々に美しい風景を見せる奉納山。その裏に、決して近づいてはならない“別の顔”が潜んでいるのである。
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