灰ヶ峰は広島県呉市に位置する夜景の名所として知られる一方、数多の凄惨な事件や事故が積み重なった心霊スポットでもある。そこでは、呻き声や幽霊の目撃談、得体の知れぬ気配など不気味な噂が絶えず囁かれている。今回は、灰ヶ峰にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
灰ヶ峰とは?

灰ヶ峰は広島県呉市に位置する標高737メートルの山である。
山頂に設けられた展望台からは、呉市街をはじめ瀬戸内海を見渡す絶景が広がり、「中四国三大夜景」「夜景100選」「日本夜景遺産」にも認定された夜景スポットとして知られている。
しかしその美しさの裏には、死体遺棄や自殺、未解決の白骨遺体など、陰惨な事件や事故の履歴が刻まれており、いつしかこの地は心霊スポットとしても恐れられるようになった。
灰ヶ峰の心霊現象
灰ヶ峰の心霊現象は、
- トイレで女性の呻き声がする
- トイレや駐車場で少女の幽霊が目撃される
- 展望台に男性の幽霊が現れる
- 人の気配を感じるが周囲には誰もいない
- 頭痛や吐き気などの体調異変に襲われる
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、灰ヶ峰で最も多く報告されるのがトイレに纏わる怪異である。
夜間、誰もいないはずのトイレから女性の呻き声が微かに聞こえてくる。
振り返るとそこには誰もおらず、ただ冷たい空気だけがまとわりつくという。
また、灰ヶ峰では少女の幽霊の目撃談が絶えない。
トイレや駐車場付近に佇むその姿は、か細い足取りでこちらを見つめていることが多いという。
声を掛けると忽然と消え、背筋を撫でる冷気だけが残る。
展望台では自ら命を絶ったとされる男性の幽霊が現れるとも言われている。
夜景を楽しむ人々の背後に立ち、虚ろな目で闇を見つめているのを目撃したという証言もある。
さらに山頂付近では、人が歩く気配や話し声が耳元で囁かれることがある。
振り返るとそこには誰もおらず、ただ自分の心臓の音だけが大きく響く。
そうした場所に長く留まると、頭痛や吐き気に襲われ、立っていられなくなる者も少なくない。
霊感の有無に関わらず、これらの症状は「これ以上近づくな」という警告であるとも囁かれている。
灰ヶ峰の心霊体験談
ある若者のグループが、肝試しを兼ねて灰ヶ峰へ向かった。
初めは冗談混じりに笑いながら夜景を眺めていたが、駐車場に戻る途中、友人の一人が急に黙り込み、その場にうずくまった。
「頭が痛い…吐きそうだ…」そう言うと肩を震わせ、涙を浮かべていた。
慌ててその場を離れると、不思議なほど体調は元に戻ったという。
ただ、その友人は帰り道ずっと何かに怯えるように周囲を見回していた。
後日、再び灰ヶ峰へ行こうと誘うと、決して行こうとしなかったという。
灰ヶ峰の心霊考察
灰ヶ峰は、過去に何度も事件や事故の舞台となってきた。
2000年には身元不明の成人女性と幼児の白骨遺体が発見され、未解決のまま年月だけが過ぎた。
2013年には広島LINE殺人事件として全国を震撼させた集団暴行殺害事件が発生し、16歳の少女が主犯となり、同級生を灰ヶ峰に誘い出し惨たらしく命を奪った。
さらに2019年には、展望台で腹に包丁を突き立てた男性の遺体が見つかっている。
これだけの惨劇が重なれば、この地に苦しみや恨みの念が渦巻いていても不思議ではない。
灰ヶ峰に纏わる心霊現象は、ただの偶然や思い込みではなく、積み重なった無念や怨嗟が形を取って現れているのではないだろうか。
楽しいはずの夜景が、突然恐怖へと変わるこの場所には、今もなお成仏できぬ霊たちが彷徨い続けているのかもしれない。
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