香川県三豊市に残る詫間海軍航空隊の防空壕跡は、かつて特攻隊が編成された戦争遺構である。現在は史跡としてひっそり残るが、夜になると黒い人影の霊が立つとの証言や、強烈な気配に包まれるといった怪異が語られている。今回は、詫間海軍航空隊 防空壕跡にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
詫間海軍航空隊 防空壕跡とは?

詫間海軍航空隊は昭和十八年六月一日に開隊された部隊であり、当初は水上機の教育訓練を担っていた。
しかし、戦況が悪化するにつれ横浜海軍航空隊から飛行艇部隊が移され、ここは訓練部隊から実戦部隊へと変貌を遂げた。
昭和二十年には第五航空艦隊の一翼を担い、夜間索敵や特攻機の誘導を行った二式大艇をはじめ、ここから多くの若者が戦場へと旅立ち、命を落とした。
特攻隊「琴平水心隊」もこの地で編成され、出撃した五十七名の若者が沖縄の空に散ったと伝わる。
現在、跡地は学校や工場へと姿を変えたが、かつての滑り台のような水際施設や横穴式防空壕がわずかに残されている。
その闇は、当時の死者たちの叫びを今も封じ込めているかのようである。
詫間海軍航空隊 防空壕跡の心霊現象
詫間海軍航空隊 防空壕跡の心霊現象は、
- 防空壕の入口付近で黒い人影が現れる
- 付近で霊の気配を強く感じる
である。以下、これらの怪異について記述する。
もっとも多く語られる怪異は、防空壕入口付近に現れる「黒い人影」である。
深夜、この場所を訪れた者が、月明かりにも照らされぬ黒い影のような人影を目撃したという。
影は一切動かず、ただ佇んでいるだけのように見えるが、視線を外した瞬間に消えてしまうという証言もある。
その姿が戦没者の霊なのか、あるいはこの地に集まる無数の魂の一つなのかは不明である。
また、霊の姿を見た者は少ないものの、ここを訪れると背後から複数の気配に取り囲まれるような感覚に襲われるという声がある。
特に夜の防空壕は異様なほど空気が重く、足を踏み入れた途端に吐き気や強烈な寒気を覚える者もいるとされる。
詫間海軍航空隊 防空壕跡の心霊体験談
ある者が深夜、防空壕跡の前を通りかかったとき、ふと視線を感じ振り向いた。
そこには、漆黒の影のような人影が立っていた。顔や服装は判別できず、ただ人の形だけを浮かび上がらせた黒い塊であったという。
恐怖に駆られて目を逸らし、再び確認したときには影は跡形もなく消えていた。
しかしその後も、誰かが背後に立っているような圧迫感が続き、夜道を走り去るまでまとわりついたという。
詫間海軍航空隊 防空壕跡の心霊考察
この地で目撃される黒い人影は、戦没者の霊である可能性が高い。特攻で散った若者たちや、戦闘で命を落とした兵士の未練が、防空壕という暗い空間に染み付いているのだろう。
防空壕はただの避難施設ではなく、兵士たちが死と隣り合わせの緊張を味わい、仲間の出撃を見送った場所でもある。そのため、強烈な「死の気配」が残っていると考えられる。
また、目撃者が語る「黒い人影」が個別の霊なのか、あるいは多くの魂が集まって形を成した存在なのかは判別できない。
しかし、いずれにせよこの防空壕は、戦没者たちの無念を今も封じ込めている「生きた墓標」であるといえる。
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