愛媛県久万高原町を流れる面河川に架かる竜の川橋は、観光地の一角にありながら、死者の怨念が渦巻く心霊の噂が絶えない場所である。今回は、竜の川橋にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
竜の川橋とは?

竜の川橋は、愛媛県上浮穴郡久万高原町中津に位置する吊り橋である。
面河川に架かり、長さ132メートル、幅1.3メートルほどの人道橋で、2000年11月に竣工された比較的新しい橋である。
歩道部は金属製のグレーチング構造で、下を流れる面河川を透かして見下ろすことができるため、高所恐怖症の者には一層の恐怖を与える造りとなっている。
この川の上流には死体が流れ着くことが多いとされ、橋そのものの存在に不気味な影を落としている。
自らこの橋から身を投げた者も少なくないという噂もある。
竜の川橋の心霊現象
竜の川橋の心霊現象は、
- 石に浮かぶ怨念に満ちた顔
- 川面から伸びる白い手
- 突如笑い出し意識を失う不可解な憑依現象
である。以下、これらの怪異について記述する。
ある夫婦が竜の川橋付近で釣りをしていた時のことである。
突然、妻が狂ったように笑い声を上げ、意識を失い倒れかけた。
夫は川へ転落する危険を察知し、必死に妻を抱え車まで運び込んだ。
しばらくして正気を取り戻した妻は、恐怖に震えながら次のように語ったという。
辺りに転がる無数の石が次々とおぞましい人間の顔に変貌し、怒りの表情で睨みつけてきた。
その瞬間、川の水面から白く細い手が伸び上がり、自分の足を掴もうとしたのだ、と。
そこから先の記憶は途切れており、気が付いた時には車の中であったという。
この橋の周辺には、川へ身を投げた者や流れ着いた遺体が多く存在する。
石に浮かぶ顔や水面から伸びる手は、無念のまま命を落とした者たちの怨念が具現化したものと考えられる。
竜の川橋の心霊体験談
釣りをしていた夫婦の妻は、明らかに常軌を逸した状態に陥った。
笑い声は狂気に満ち、瞳は焦点を失い、まるで別の存在が体を操っているかのようであったという。
夫はその異様さに恐怖しながらも、かろうじて抱え上げ車へと連れ戻した。
妻が語った「石に宿る顔」や「川から伸びる手」は、一人の妄想として片づけるにはあまりにも生々しく、憑依としか説明できない体験であった。
もし夫がその場にいなければ、妻は橋の上から引きずり込まれていた可能性もある。
竜の川橋の心霊考察
竜の川橋の怪異は、単なる幻覚や錯覚で片づけられない性質を持つ。
石に浮かぶ顔は無数の死者の怨念が形をとったものと考えられ、川から伸びる白い手は、かつて命を絶った者が生者を引きずり込もうとする執念の表れである。
面河川は古くから水難事故や投身自殺の噂が絶えない場所である。
その負の記憶が橋の周辺に堆積し、訪れる者を狂気に陥れる霊的な場を形成しているのだろう。
竜の川橋は、美しい自然に囲まれた観光地としての顔を持つ一方で、目に見えぬ死者の声が今も響く、極めて危険な心霊スポットであるのかもしれない。
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