大阪府河内長野市の滝畑ダムにかかる「夕月橋」には、昔から不可解な出来事や怪異の目撃談が絶えないという。今回は、夕月橋にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
夕月橋とは?

夕月橋は、滝畑ダムの湖面をまたぐ一本の橋である。
昭和54年3月に完成。近年その横には「令和2年4月21日奈良県のダムで死亡事故発生!ダム湖内は危険立ち入り禁止」などと明記されていたようだ。
この一帯は自然豊かで、近くには「滝畑ふるさと文化財の森センター」や「光滝寺キャンプ場」などもある。
しかし、昼間の穏やかな景観とは裏腹に、夜になるとこの橋は一転して“異界への入り口”と呼ばれるほどの不気味な空気に包まれるという。
過去には、ここで入水自殺が何度も発生しており、地元でも「どうしてもあの橋は渡りたくない」と語る者が少なくない。
そのため、滝畑ダム周辺は大阪でも指折りの心霊スポットとして知られているのである。
夕月橋の心霊現象
夕月橋の心霊現象は、
- 橋を渡ると老婆の幽霊が猛スピードで追いかけてくる
- 橋の途中で水面を覗き込むと、下から白い手が伸びてくる
- 通行中に急な悪寒と耳鳴りに襲われる
- 幽霊に脅かされた車がT字路を曲がり切れずに事故を起こす
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、最も多く語られているのが「老婆の幽霊」である。
深夜、橋を車で渡っていると、背後から何かが猛スピードで迫ってくる。
ルームミラーを覗くと、真っ白な髪を振り乱し、白い着物姿の老婆が鬼のような形相で追いかけてくるという。
その姿は地面を走っているのではなく、滑るように迫ってくるとも言われている。
この老婆の霊はただ現れるだけではなく、通行者を強く脅かし、恐怖に駆られた者がハンドル操作を誤ってしまう。
実際、夕月橋の先にあるT字路ではスピードの出しすぎによる事故が何度も発生しており、「老婆が運転者をあの世へ誘う」と囁かれている。
また、橋の中央付近で湖面を覗き込むと、水の中から手が伸びてくるという話もある。
夜の水面は闇と一体化しており、懐中電灯を照らしても底は見えない。
その暗闇から、突然“白い手”が伸び、足首を掴もうとする。
それはまるで、かつてこの場所で命を絶った者が、仲間を求めて手を差し出しているかのようである。
このような出来事から、夕月橋は「この世とあの世の境界」とも呼ばれている。
現世に留まりきれない霊たちが、夜ごとそこに現れるのだと信じられているのである。
夕月橋の心霊体験談
ある訪問者は、夜に夕月橋を撮影した写真の中に“顔のようなもの”が写っていたと語っている。
画面全体が不自然に白く霞み、二つの人の顔のような影が浮かび上がっていたという。
撮影者は「気のせいだと思いたい」と言いながらも、その部分を透過ペンで囲んで確認せずにはいられなかった。
まるで、写り込んだ何かが自分に気づいてほしいと訴えているかのようだったと述懐している。
さらに、2016年には夕月橋近くで悲惨な転落事故も発生している。
滝畑ダム沿いの府道を走っていたワゴン車がフェンスを突き破り、約15メートル下の湖面へと転落した。
車内には6人が乗っており、そのうち5人が死亡、1人が重体となった。
現場は、まさに夕月橋の西端からほど近い場所であった。
地元では今でも「橋の霊が呼んだのではないか」と囁く者がいる。
夕月橋の心霊考察
夕月橋に現れる老婆の霊は、単なる幻覚や噂では片づけられない。
その異様なまでの執念は、生前にこの地で無念の最期を遂げた者の怨念とも考えられる。
また、水中から伸びる手の目撃談も、自殺者の霊が成仏できずに彷徨っている姿なのかもしれない。
滝畑ダム一帯は、静けさと美しさの裏に“死の記憶”が眠る場所である。
そして夕月橋は、その記憶が形を持って現れる境界点なのだろう。
夜に訪れれば、ただの風の音や水面の揺れさえも、何かが呼んでいるように感じられる。
夕月橋に立つとき、そこが現世である保証は、もうどこにもないのである。

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