大分県竹田市に架かる「合ヶ瀬大橋」には、自殺者の霊が出るという不気味な噂が絶えない。地元では“見てはいけないものが見える橋”として恐れられており、実際に不可解な体験をした者も少なくないという。今回は、合ヶ瀬大橋にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
合ヶ瀬大橋とは?

合ヶ瀬大橋(あいがせおおはし)は、大分県竹田市の深い渓谷を流れる大野川の源流・大谷川に架かる県道695号線の橋である。
竹田市荻町大字柏原と大字九重野を結び、昭和49年の調査設計着手から8年の歳月と8億3千万円の巨費を投じて、昭和56年(1981年)に完成した。
全長は213.65メートル、幅6.5メートル、高さは脚下から橋面まで67.56メートルにも及ぶ。
このような高橋脚による橋梁の施工例は全国的にも非常に珍しい。
構造は3径間連続上路式平行弦ワーレントラス橋であり、祖母山系を一望できる景観の美しさでも知られている。
しかし、この美しい橋には、知られざる恐怖が潜んでいる。
合ヶ瀬大橋の心霊現象
合ヶ瀬大橋の心霊現象は、
- 白い服を着た女性の霊が現れる
- 橋の上で不気味な声が聞こえる
- 夜中に橋の欄干から覗くと“何か”に引きずり込まれそうになる
- 付近では不可解な交通事故や体調不良を訴える者が多い
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も有名なのは、「白い服を着た女性の霊」である。
深夜、この橋を渡ると、欄干の向こうにうつむいた女性の姿がぼんやりと浮かび上がることがあるという。
その姿は、次の瞬間には消えてしまうが、人によってはバックミラー越しに女性の姿を“連れてしまう”こともあるらしい。
次に報告されているのが、「声」の現象である。
無人の橋の上で、背後から「おいで」「たすけて」といった小さな声が聞こえるという証言が複数存在する。
その声の正体は分かっていないが、実際に聞いた者の多くが極度のめまいや吐き気に襲われたと語る。
また、「引きずり込まれる」という噂も恐ろしい。深夜に欄干から下を覗くと、まるで誰かに手首を掴まれたようにバランスを崩してしまうという。
中には、誰もいないはずの背後から強く背中を押されたという証言もある。
そして最後に、「謎の交通事故や体調不良」。
橋の前後では不可解な単独事故が後を絶たず、深夜に通過したドライバーが突然動悸や頭痛を訴えるケースも報告されている。
これらの異変は、橋の完成以降、徐々に増えていったとも言われている。
合ヶ瀬大橋の心霊体験談
ある地元住民の証言によれば、夜中に合ヶ瀬大橋を車で渡った際、急に車内の温度が一気に下がり、ラジオから「ザザッ…ザ…おい…で…」というノイズ混じりの声が流れたという。
慌てて橋を抜けた直後には、何事もなかったかのように正常に戻ったが、バックミラーには一瞬、助手席に“誰か”が座っているように見えたという。
また、別の若者グループが肝試しに訪れた際、1人の女性が橋の途中で突然動けなくなり、「足元に手がたくさん見える」と錯乱。
結局その場を離れるまで動くことができず、後日、原因不明の高熱と幻聴に悩まされたという。
合ヶ瀬大橋の心霊考察
合ヶ瀬大橋は、全国的な知名度こそ低いものの、地元では「自殺の名所」として長年語り継がれてきた。
事実、この橋から身を投げた者は少なくなく、その背景には、静かに語られない“土地の記憶”があるのかもしれない。
霊的存在が現れるのは、未練や苦悩といった強い感情がその場に焼き付いた結果であるとされる。
特に高所からの投身は、強い絶望と恐怖を伴うことが多く、霊が地に還らずさまよう原因ともなり得る。
声が聞こえる、体調が急変するといった現象は、こうした念が時間を超えてその場に“残留”している影響だと解釈できる。
合ヶ瀬大橋は、霊的に「開かれた場所」…何かが現れるのではなく、常に“そこにある”と考えるべき場所なのかもしれない。
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