函館市の山中にひっそりと佇む、正一位石倉稲荷神社――通称「ビビリ神社」と呼ばれるこの神社には、数々の不可解な心霊現象のウワサが存在するという。今回は、ビビリ神社(正一位石倉稲荷神社)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
ビビリ神社(正一位石倉稲荷神社)とは?
の外観.jpg)
ビビリ神社の正式名称は「正一位石倉稲荷神社」。
その創建は正保4年(1647年)に遡り、京都伏見稲荷大社から御分霊を迎え、当時の銭亀沢村の鎮守として祀られたものである。
御神体は本殿の裏に鎮座する巨大な岩であり、よく見ると鳥居が彫られており、岩そのものが信仰の対象となっている。
しかし、いつからかこの神社は「ビビリ神社」と呼ばれるようになり、心霊スポットとして人々の間で噂されるようになった。
昼間の静けさとは裏腹に、夜になるとそこには「何か」が現れるというのだ。
ビビリ神社(正一位石倉稲荷神社)の心霊現象
ビビリ神社(正一位石倉稲荷神社)で報告されている主な心霊現象は、
- 老婆の霊が現れる
- 鳥居の上を生首が飛んでいる
- 車に無数の手形が残る
- 犬の霊が吠えながら追いかけてくる
- 本殿裏の岩に触れると災いが起こる
である。以下、これらの怪異について記述する。
老婆の霊が現れる
深夜、肝試しに訪れた若者たちの前に、突然、白髪まじりの老婆の霊が姿を現すという。
特に本殿の周辺で目撃されることが多く、「遊び半分で訪れる者を許さぬ」といったような怒気を帯びた形相で迫ってくるのだという。
噂では、かつてこの地に住んでいた巫女の怨霊ではないかとも囁かれている。
鳥居の上を生首が飛んでいる
入口の鳥居をくぐるとき、視界の上空を不意に通り過ぎるものがある。
夜空を裂くように飛ぶそれは、人の生首であるとされている。
誰の顔かまでは判別できないが、目が合った者は数日以内に不幸に見舞われるという。
車に無数の手形が残る
ビビリ神社から帰ると、自家用車のボンネットやドアに、無数の手形が残されていたという証言がある。
赤く染まったものや泥のような色をしたものまであり、あきらかに人間のものとは思えない。
音声が録音されていなかったにも関わらず「うめき声を聞いた」という体験談と併せて報告されている。
犬の霊が吠えながら追いかけてくる
大きな岩の近くを通ると、突如として複数の犬が吠えながら現れ、肝試しに来た者を追い回すという。
ただし、逃げ出した後に周囲を見渡しても、その姿は見当たらないというのだ。
この神社には、かつて神主が可愛がっていた犬がおり、留守中の神社を託されたまま神主が帰らなかったという伝承がある。
この犬が、今もなお神社を守り続けているのかもしれない。
本殿裏の岩に触れると災いが起こる
真紅に塗られた本殿の裏には、御神体とされる大岩がある。
この岩に触れた者の中には、その後、事故に遭ったり、原因不明の病に倒れたりする者がいるという。
霊感が強い人間には、岩の表面に幽霊が張り付いているように見えるともいう。
ビビリ神社(正一位石倉稲荷神社)の心霊体験談
神社を出ようとした瞬間、背後から鎖が叩きつけられるような轟音が響いた。
しかし、同行者には何も聞こえていなかったという。
あまりの恐怖に、すぐにその場を離れた。
鳥居をくぐると、奥から黒いモヤのような影が現れた。
直感的に「これはまずい」と感じ、すぐに撤退。
その数ヶ月後に再訪したときには、神社前の道一面が濃霧に包まれていた。
肝試しで訪れた中学生グループは、大岩付近で犬の鳴き声に襲われた。
姿は見えないが、確実に足音と吠え声が近づいてくる。
命からがら逃げ出した後、地元の心霊雑誌で「神主の犬」の話を知り、背筋が凍ったという。
社内の飲み会帰りに訪れた会社員たちは、本殿裏の石からうめき声を聞いた。
動画を撮っていたが、そこには音声が一切記録されていなかった。
帰路で確認した車のボンネットには、泥や血のような手形がびっしりとついていた。
ビビリ神社(正一位石倉稲荷神社)の心霊考察
ビビリ神社で頻発する心霊現象の数々は、単なる都市伝説の域を超えているように思われる。
老婆の霊や犬の霊といった“見えるもの”に加え、声や音といった“聞こえるもの”まで多層的な怪異が報告されている。
とくに神社の御神体とされる岩は、強い霊的エネルギーを宿している可能性が高く、それが訪れた者へ災厄をもたらしているのかもしれない。
また、ビビリ神社という呼び名の由来は不明だが、肝試しの舞台として長年使われてきたことで“ビビりを試す場所”という皮肉を込めて名づけられたとも考えられる。
しかし、遊び半分で足を踏み入れた者たちは、決して“試される”だけでは済まない。
何かしらの“代償”を払わされているようにすら思えるのだ。
この神社を訪れるのであれば、決して軽い気持ちではいけない。
そこに眠る何かは、我々の思惑を遥かに超えているのかもしれないのだから──。
コメント