長崎市の高台にある「どんの山公園」は、墓地に囲まれた静かな場所でありながら、少年や女性の霊が現れると噂される心霊スポットである。地元でもあまり知られていないが、その異様な雰囲気と数々の怪異が、訪れた者の足をすくませてきた。今回は、どんの山公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
どんの山公園とは?

「どんの山公園」は、長崎市の東山手エリア背後にある標高約130メートルの山の頂上に位置する静かな公園である。
この山の本来の名称は「風取山(かざとりやま)」で、明治11年に日本初の地方測候所が設置された歴史をもつ。
さらに明治36年には測候所内に午砲台が建設され、正午を知らせるため「どーん!」という空砲が街に響き渡っていたという。
その音は地鳴りのように重く、矢上の町まで響いたとの記録も残っている。
市民たちは次第にこの山を「どんの山」と呼ぶようになり、その呼び名は現在にまで受け継がれている。
午砲の習慣は昭和16年まで続いたというが、その歴史の裏には、別の“響き”が囁かれるようになった……それは“霊の呻き”である。
どんの山公園の心霊現象
どんの山公園の心霊現象は、
- 少年の霊が現れる
- 墓地に囲まれている
- 公園へ向かう道中で女の霊が出る
- 心霊の噂が広まりすぎて、途中で逃げ帰る者が後を絶たない
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、この公園の周囲にはいくつもの墓地が点在しており、山頂までの道中、薄暗く曲がりくねった坂道を通る。
その途中、白い着物姿の女の霊が道脇に立っていたという証言が複数ある。
目を逸らしたつもりでも、後ろを振り返ると、必ず視界の隅に再び立っているという。
まるで登る者を試すかのように、無言で見つめ続けてくるのだ。
また、公園の広場付近では、ひとり遊ぶ少年の霊が何度も目撃されている。
声をかけるとフッと消えるか、または、こちらを振り返らずに何かを指さすような仕草をするという。
その指の先には、誰もいない遊具。だが、耳を澄ませば、誰かがブランコをこぐ音が風に混じって聞こえてくるという。
そしてなにより恐ろしいのは、この場所に来た者の多くが、途中で「これはマズい」と感じ、頂上に到達する前に引き返してしまうという点だ。
心霊現象が”見える”人でなくとも、肌を刺すような冷気と圧迫感を感じ、恐怖に駆られるという。
どんの山公園の心霊体験談
掲示板「本当にあった怖い名無し」では、2006年8月に以下のような体験談が投稿されている。
「ドンの山は、地元の人しか知らないような危険なスポット。頂上には公園があるけど、そこは本当にヤバい。自分の友人が行ったけど、怖くなって途中で逃げ帰ってきた。」
また、別の書き込みでは、
「電車で石橋まで行って、そこから山道を登っていくんだけど、その途中で女の霊を見たという話もある。」
という証言も寄せられている。
このように、地元の間では“知る人ぞ知る”恐怖スポットとして知られているが、名前だけを見ればその恐ろしさに気付く者は少ない。
どんの山公園の心霊考察
心霊現象が多発する理由として、周囲に点在する墓地の存在が無視できない。
かつて静かに眠っていた魂たちが、訪れる者の気配に反応し、無言の訴えをしている可能性がある。
また、午砲の轟音が毎日山を揺らしていたという過去の歴史も、何らかの形で霊的な影響を及ぼしたのかもしれない。
少年の霊が現れるのも、事故や事件がこの地で起きていた可能性を示唆している。
誰にも語られずに消えていった存在が、今もなお、その記憶を刻み続けているのではないか。
何より、公園という“無邪気さ”や“安らぎ”を感じさせる空間にこそ、油断が生まれ、そこに霊が入り込む余地ができてしまうのかもしれない。
“のどか”な歴史の裏に、静かに息を潜める異界が存在している。
それが、どんの山公園という場所の、真の顔である。
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