漂流病院のウワサの心霊話

大阪府と和歌山県の県境近く、深い山中に今もひっそりと佇む廃病院がある。地元では「漂流病院」と呼ばれ、昭和期に存在した実在の医療施設――泉長病院がその正体である。かつては地域の医療を支える希望の場だったが、今では廃墟と化し、奇妙な噂と心霊話が絶えない。今回は、漂流病院にまつわるウワサの心霊話を紹介する。


漂流病院とは?

漂流病院の外観

ウワサされる漂流病院

漂流病院は、大阪府と和歌山県の県境付近に位置する山中の廃病院である。

昭和40年代に開院したとされるが、わずか数年で閉院となった。その理由は不明である。

内部には1971年(昭和46年)の夏のカレンダーが残されており、一部ではその頃に閉鎖されたと見られている。(残留物の中に平成のものがない)

建物は7棟ほどが存在し、中央の病棟を中心に渡り廊下で連結されている。

かつては大規模な医療施設であったことが伺えるが、現在は倒壊が進み、階段や床が失われた箇所も多い。

また、この病院は当時、結核などの感染症患者を隔離・治療していたとも噂されている。

山中という立地、そして布団の中身が藁であるという点が、その説を裏付けている。

患者が退院あるいは死亡した際には、その布団を焼却していたとされるためである。

運営母体の理事長はのちに別の病院を市内に設立したが、行政処分を受けて閉院したとも言われている。

真偽は不明だが、いずれにせよこの病院の歴史には常に不穏な影が付きまとっていた。

その他の説、泉長病院の歴史

この「漂流病院」の正体は、かつて大阪府に存在した泉長病院である。

正式には「財団法人泉長会」が運営し、1971年(昭和46年)に開院している。

理事には当時の衆議院議員や元町長などが名を連ねており、町内唯一の入院可能病院として大きな期待を背負って開設された。

施設は、木造2階建ての管理棟A棟、病棟B〜D棟を中心に、看護師宿舎、調理棟、浴場なども備えた中規模医療施設であった。

特定の感染症専門ではなく、一般の診療と入院を行っていた普通の地域病院である。

閉院時期は明確ではないが、2000年頃までには閉鎖されたとみられているようだ。

その後、建物は放置され、現在は天井や床が抜け落ち、内部には薬品やカルテ、古い藁のベッドなどが散乱している。

なお、泉長会そのものは2016年に改称し、現在も別法人としてクリニックやケアハウスを運営している。


詳細な事実といわれている話はウワサとは異なるものの、
この場所で「何かがおかしい」と感じた者がいるのも、また事実なのである。
廃墟となった今も、そこに漂う静寂の底に何が眠っているのか――。
何が本当なのかは、あなた自身で判断してほしい。


漂流病院の心霊現象

漂流病院の心霊現象は、

  • 男性の霊が病棟の廊下に現れる
  • 入院棟から人の呻き声が聞こえる
  • 廊下の奥で誰もいないのに足音が響く
  • 応接室の黒い椅子に人影が座っている

である。以下、これらの怪異について記述する。

山間の砂利道を進むと、木々の間から突然、巨大なコンクリートの建物が姿を現す。

周囲には人気がなく、まるで“時間から取り残された建造物”のようである。

建物の裏手には同じ造りの病棟が三棟ほど並び、左手の渡り廊下で繋がっている。

中央棟には受付や診察室、レントゲン室、調剤室が並び、上階には薬局と応接室があった。

だが、現在その薬局の床は崩落し、外の光が差し込むだけの空洞となっている。

調理室にはプラスチックの皿が散乱し、食堂の壁には消火器が並んでいる。

そして「患者娯楽室」と記された部屋には、もはや娯楽の痕跡すら残っていない。

ただ、朽ち果てた木材の軋む音が、静寂の中に不気味に響くのみである。

入院棟ではさらに崩壊が進み、部屋ごと落下している箇所もある。

昭和の面影を残すモスグリーンの浴室、そして藁の布団が残された病室。

かつてここで病に伏した人々が、どのような最期を迎えたのかは知る由もない。

応接室には黒い革張りの椅子がいくつも並び、まるで今も誰かが“会議の続きを待っている”かのようである。

ここが漂流病院の中枢だったとされるが、現地を訪れた者の多くは、そこで奇妙な視線を感じたという。


漂流病院の心霊体験談

ある探索者がこの病院を訪れた際、応接室に足を踏み入れた瞬間、背後で“カタン”という音を聞いたという。

振り返っても誰もいない。

しかし、部屋の奥にあった黒い椅子がひとつだけ、向きを変えていたというのだ。

また別の訪問者は、夜の病棟で低い呻き声を耳にしたと語っている。

声は天井の方から聞こえ、まるで病床に縛りつけられた患者の息遣いのようだったという。

懐中電灯を向けても何も映らず、ただ冷気だけが肌を撫でていった。

これらの体験談は誇張を含まない。

漂流病院に足を踏み入れた者だけが、その静けさの中に潜む“何か”を感じ取るのだ。


漂流病院の心霊考察

漂流病院で報告される霊現象の多くは、未練や孤独に由来するものであると考えられる。

かつてここで隔離され、外の世界を知らぬまま命を終えた患者たち。

その無念が建物と共に封じ込められ、今もなお彷徨っているのかもしれない。

また、この病院には「漂流」という名がつけられているが、

それは建物が朽ちてもなお“存在を漂わせている”ことの象徴のようにも思える。

自然の中に静かに溶け込みつつも、確かに“何か”が生き続けている場所。

漂流病院とは、まさに現世とあの世の境界線上に取り残された施設である。

立ち入れば、あなた自身もまた――その漂流の一部となるであろう。


漂流病院の地図

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【管理人】狐憑きのたる

全国のウワサの心霊スポットを調査し、その魅力と恐怖を皆さんにお届けしています。