西大分の丘陵地にひっそりと存在する「放生池」。この地には、古くから不気味な心霊のウワサが囁かれてきたという。今回は、放生池にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
放生池とは?

放生池は、西大分の自然に囲まれた静かな丘陵地に位置する大きな池である。
もともとは農業用のため池として利用されていたが、現在ではバス釣りを楽しむ釣り人も多く訪れている。
周囲には明かりも少なく、日が落ちると一気に不気味な静けさに包まれる。
池の名前である「放生池(ほうじょういけ)」は、かつてこの地で仏教の不殺生戒に基づく「放生会(ほうじょうえ)」が行われていたことを示唆している。
捕らえた魚や鳥獣を自然へと放ち、殺生を戒めるこの儀式は、主に八幡社で執り行われていたものである。
つまりこの池は、神聖な神域であった可能性が高い。
そのため、この地で起きる心霊現象は、単なる偶然では済まされない何かがあるようにも思える。
放生池の心霊現象
放生池の心霊現象は、
- 女性の霊が出没する
- 軍服姿の霊が目撃される
- 写真に無数のオーブと顔が写り込む
- 心霊番組のロケ後、霊能者が祟られたというウワサ
- 夢に現れる黒髪の女の存在
である。以下、これらの怪異について記述する。
かつて深夜に放生池を訪れた者が、池に向かってカメラのフラッシュをたいて撮影したところ、写真には異様な数のオーブが浮かび上がったという。
その中には、はっきりと「顔」が見えるものもあり、しかもそれは一つや二つではなく、数十にものぼったという。
さらに、その顔の一部は笑っているように見え、また一部は怒っているように見えた。
目撃証言の中でも恐れられているのが、黒髪長髪の女性の霊である。
夜の池のほとりに佇む姿を見たという報告がいくつもあるが、目が合ってしまうと、その夜に夢へと現れ、「お前…お前…」と何度も呟かれるという。
特に午前3時に目を覚ました場合は、霊との接触の証だと語られている。
また、軍服を着た男の霊の姿も確認されている。
かつてこの地で命を落とした軍人なのか、それとも全く別の由来があるのかは定かではない。
ただ一つだけ確かなのは、その霊に話しかけてはならないということ。
目が合ってしまった場合、無視するしか助かる道はないとされている。
極めつけは、かつて某テレビ局の心霊番組がここでロケを行った際、同行した霊能者が帰京後、不可解な体調不良に見舞われ、間もなくして消息を絶ったという噂である。
この一件がきっかけとなり、放生池は本格的に「呪われた池」として知られるようになった。
放生池の心霊体験談
10年ほど前、ある男性が深夜に放生池を訪れ、何枚かの写真を撮影した。
すると、その一枚に大きな顔と、それを取り囲むように無数の小さな顔が写り込んでいたという。
奇妙なのは、それを見たその夜から、悪夢に苛まれるようになったことだ。
夢の中に現れたのは、血の気のない白い顔をした黒髪の女性。
彼女は夢の中で何度も「お前…お前…」と語りかけ、午前3時きっかりに目を覚まさせるのだという。
さらには、池のほとりで軍服を着た男に遭遇したという証言もある。
話しかけた途端、彼の耳元で何かが囁くような声が聞こえ、急に立っていられなくなったという。
霊と関わった者には、何かしらの“代償”があるようだ。
放生池の心霊考察
放生池の名が示す通り、この地ではかつて放生会という宗教的儀式が行われていた可能性が高い。
生き物を解き放つ神聖な行いの場が、なぜこれほどまでに強い霊的エネルギーを宿す場所となってしまったのか。
それは、神域であるがゆえに“穢れ”が強く反応してしまう性質があるのではないかと考えられる。
また、霊能者が祟られたという一件も、単なる偶然とは思えない。
現代においてもなお、この池は見えざる“何か”によって守られ、あるいは封印されているのかもしれない。
黒髪の女性や軍人の霊が語る過去は、決して語られることのない“忘れられた死”なのかもしれない。
そしてそれらの魂は、今もこの静かな池の底で、誰かの訪れを待っているのかもしれない――。
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