大分県別府市に広がる「十文字原高原」は、日本夜景遺産にも選ばれる美しい夜景スポットでありながら、数々の不可解な現象が語り継がれる心霊スポットとしても知られている。今回は、十文字原高原にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
十文字原高原とは?

十文字原高原は、大分県別府市に位置する広大な高原地帯である。
別府湾を見下ろす高台に位置し、視界が澄んでいるときには遠く四国地方までも望むことができる。
その美しさから、2004年には日本夜景遺産にも認定され、観光客やカップルが夜景を楽しみに訪れる場所として知られている。
また、同地は陸上自衛隊の演習場としても利用されており、戦前は旧日本軍、戦後は米軍が使用していたという軍事的な歴史も持ち合わせている。
加えて、近年造成された小さな霊園も付近に存在する。
こうした静かな絶景スポットであるにも関わらず、十文字原高原には数多の心霊のウワサが付きまとうのである。
十文字原高原の心霊現象
十文字原高原の心霊現象は、
- 心霊写真が撮れる
- 宙に浮かぶ生首が目撃される
- 黒焦げの遺体が山積みにされていた
- 生首を手にした男が立っていた
である。これらは単なるウワサにとどまらず、数多くの目撃証言や写真により、確かな異常として語られている。
以下、これらの怪異について記述する。
心霊写真が撮れる
十文字原高原で最も有名な現象が、この「心霊写真」である。
訪れた者が何枚か撮影を試みると、そのうちの一枚には必ずと言っていいほど、白く霞んだ人影や、こちらをじっと見つめる顔のようなものが写り込むという。
単なる撮影ミスとするには不自然なものばかりであり、確かに何か“見えない存在”がカメラの前に立っていたとしか思えない事例も多い。
宙に浮かぶ生首
日没後の展望台付近にて、何もない空間に“浮かぶ生首”を見たという証言が複数寄せられている。
それは風に揺れるわけでもなく、確かに静止していたという。
目が合ってしまった者は、その後原因不明の体調不良に悩まされたという話もあり、ただの見間違いとは言い難い。
黒焦げの遺体が山積みになっていた
高原を散策中、焼け焦げたような遺体がいくつも山積みにされているのを見たという報告も存在する。
その姿は異様で、体の輪郭は朧げながらも、人型であることがはっきりと分かるという。
ふと目をそらして再び見た時には、何もなかったかのように景色が戻っていたというが、あの臭いだけは鼻について離れなかったと語る者もいる。
生首を持った男
これは“浮かぶ生首”とは別の怪異である。高原の展望台付近で、手に生首を持った男とすれ違ったという話がある。
その姿は異様で、黒くすすけた軍服のようなものをまとい、足音もせずにただ立ち尽くしていたという。
その男の手にあった生首が、まばたきしたように見えた…という証言もある。
十文字原高原の心霊体験談
ある訪問者は、深夜に十文字原高原を訪れた際、展望台で数枚の写真を撮影したという。
その場では特に異常を感じなかったが、帰宅後に写真を確認して愕然とした。
展望台の手すりのそばに、確かに“誰か”が立っていた。
しかもその顔は、肌が黒く焼けただれ、目だけが白くギラギラと光っていたという。
その後数日間、彼はひどい頭痛と悪寒に悩まされ、病院に行っても原因は見つからなかったという。
「あの写真を見てから、夜眠るのが怖くなった」と語っている。
十文字原高原の心霊考察
十文字原高原には、目立った事故や事件の記録は存在しない。
しかし、歴史を紐解けば、戦時中の軍事演習場としての過去や、隠れキリシタンの迫害伝承が浮かび上がる。
1613年の禁教令により、この地に逃げ込んだキリシタンたちは、住民に追い出され、幕府軍に捕縛されて拷問と共に命を奪われたという言い伝えがある。
信仰を貫いた者たちの無念が、いまだこの地に彷徨っているのかもしれない。
また、心霊写真や幻視現象が頻繁に発生する背景には、この地の“気”のようなものが関係しているとも考えられる。
高原特有の空気の澄み具合が、肉眼では見えぬ存在をフィルムに焼きつけてしまうのかもしれない。
軍服姿の霊、生首、黒焦げた遺体……それぞれの怪異は一見バラバラに見えるが、かつてこの地で命を落とした者たちの断末魔が混ざり合い、ひとつの“呪場”を形成している可能性がある。
夜景と心霊が交錯する場所——十文字原高原は、美しさと恐怖が共存する異形のスポットなのである。
コメント