福岡県・志賀島にある金印公園は、国宝「漢委奴国王印」が出土した歴史的な場所として知られているが、一方で霊の目撃や不気味な噂が絶えない心霊スポットとしても密かに語られている。今回は、金印公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
金印公園とは?

福岡市東区志賀島に位置する金印公園は、天明4年(1784年)、歴史の教科書にも登場する「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」と記された金印が発見された場所として知られている。
この金印は、紀元57年、後漢の光武帝が奴国の使者に与えたものとされ、現在は国宝として福岡市博物館に収蔵されている。
1975年に整備された金印公園は、海に囲まれた志賀島の自然を満喫できる憩いの地でありながら、園内には金印の記念碑、古代地図、詩碑など歴史を感じさせるモニュメントが点在している。
しかし、そんな歴史ある地に潜むのは、古代の記憶だけではない。
この地にはかつての惨劇や呪われた過去が眠っており、今もなお人知れず怪異を引き寄せているという。
金印公園の心霊現象
金印公園の心霊現象は、
- 男性の霊が現れる
- 夜、公園内の地蔵が「人」に見える
- 公衆トイレで赤ん坊の霊が目撃される
- 蒙古塚から火の玉が出るとの証言
- 地元住民ですら夜間に近づかない
である。以下、これらの怪異について記述する。
金印公園で最も有名な怪異は、男性の霊の目撃談である。
夕暮れ時や深夜、公園の外灯に照らされた木立の間に、ぼんやりと立ち尽くす男の影が見えるという。
話しかけると、誰もいなかったかのようにスッと消える。
この霊が何者かは定かでないが、表情がはっきりしないほどにぼやけた顔立ちをしていたとの証言がある。
また、公園内の地蔵が、夜になると「人のように見える」という報告も後を絶たない。
地元の人によれば、挨拶をしてしまった直後に背筋が凍るような気配を感じ、慌てて逃げ帰った者もいるという。
特に立像の地蔵は不気味な存在感を放ち、誰かに見られているような錯覚を起こす。
そして、公園入口にある公衆トイレには、今も語り継がれる恐ろしい過去がある。
昔は汲み取り式の和式トイレであり、その便槽から赤ん坊の死体が発見されたという事件があった。
トイレ内で泣き声がする、ベビーカーの音が響く、という怪談が頻発し、現在は綺麗に改修されてはいるものの、「夜は使わない」という者も多い。
さらには、公園近くにある蒙古塚から火の玉が出るという証言もある。
元寇の際、この地で処刑された蒙古兵たちの無念が残っているのかもしれない。
青白い炎が空を這うように漂う光景を見たという体験談も複数存在している。
金印公園の心霊体験談
ある女性は、夜のドライブ中に金印公園に立ち寄った際、不意に誰かの視線を感じたという。同行していた友人も同じように気配を感じ、慌てて車に戻った。
帰路の途中、バックミラーに知らない男の顔が一瞬だけ映ったという。
また、別の証言では、公園のトイレで誰もいないはずの個室から水音が聞こえ、開けてみるとそこには誰もおらず、便器の中から何かが揺れるような泡が立っていたと語る。
金印公園の心霊考察
金印公園の周囲には、古代からの歴史的背景に加え、戦、処刑、そして遺棄事件という強い「死」の要素が複数絡んでいる。
とりわけ蒙古塚の存在は、地縛霊や怨霊の伝承と深く結びつきやすく、火の玉の目撃談はその象徴ともいえる。
さらに、赤ん坊の遺棄という悲惨な事件が「公園のトイレ」という日常的な場所で起きたことにより、この場の空間自体が負の記憶を吸い込んだのかもしれない。
清掃や改修を経てもなお、人が感じる異様な「気配」は消えずに残り続けている。
人の形をした地蔵、語られる声なき泣き声、そして誰もいないはずの鏡に映る誰か――金印公園はただの歴史公園ではなく、過去の怨念が今なお囁き続ける「現在進行形の心霊地」である可能性が高い。
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