山口県岩国市にある「欽明路トンネル」には、古くから不可解な事故や霊的現象が報告されており、地元では“何かが出る場所”として知られている。今回は、欽明路トンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
欽明路トンネルとは?

欽明路トンネルは、山口県岩国市の欽明路峠に位置するトンネルである。
正式には「欽明路隧道(きんめいじずいどう)」と呼ばれ、県道15号岩国玖珂線の主要トンネルとして1972年に開通した。
全長1,136メートル、幅員9メートルのこのトンネルは、かつては有料道路「欽明路道路」として運用されていたが、1996年6月1日に無料化された。
その後も交通量は多く、国道2号線を回避する短絡路として、日夜多くの車両が通行している。
この峠には道路トンネルのほかに、JR岩徳線の「欽明路隧道」、山陽道の「欽明路トンネル」、さらには山陽新幹線の「新欽明路トンネル」と、合計4本のトンネルが重なる地点であり、その構造自体が奇妙な圧迫感をもたらしている。
欽明路トンネルの心霊現象
欽明路トンネルの心霊現象は、
- トンネル出口付近で頻発する死亡事故
- 運転中、誰もいないはずの歩道で“手招き”をする白い影を目撃
- かつて自殺したとされる水兵の霊の出現
- 地元タクシー運転手たちの間で語られる「呼ばれる」という証言
である。これらの現象は、単なる偶然では片づけられない異様さを伴っており、事故が起きるたびに「またか」と地元ではささやかれるのである。
以下、これらの怪異について記述する。
欽明路トンネルで最も恐れられているのは、出口付近で発生する不可解な事故の数々である。
中には、車体の半分が消失したかのような衝撃的な損壊が報じられた事例も存在する。
ある事故では、三人が命を落とし、そのニュース映像を見た者の多くが「人智を超えている」と感じたという。
特に異様なのは、事故の前に「白い手が手招きしていた」「誰かが飛び出してきたように見えた」という証言が複数あることである。
しかし、現場検証では人影は確認されず、監視カメラにも何も映っていなかった。
また、地元の年配者の間では「昔、この峠で水兵が自ら命を絶った」という話が語り継がれている。
この水兵の霊が迷い、出口付近に立ち続けているという説もある。
タクシー運転手の間では、「あそこは、呼ぶ場所だ」と口をそろえる。
何かに引き寄せられるように、ハンドルが勝手に切れるといった証言もある。
欽明路トンネルの心霊体験談
ある地元出身の男性は、夜に欽明路トンネルを車で通過中、出口付近の歩道に「こちらを見ている白い影」を見たという。
慌ててスピードを落としたが、影はそのまま消えた。
その直後、後続車がスリップし、横転事故を起こした。
幸い命に別状はなかったが、男性は「自分がスピードを出していたら、あの事故に巻き込まれていたのは自分だった」と語る。
また、山口県出身で現在県外在住の男性も、「子供の頃、祖父から“欽明路の水兵の霊”の話を聞かされていた」と証言する。
長年忘れていたその話を、大人になって偶然ネット掲示板で見かけたとき、背筋が凍るような感覚を覚えたという。
欽明路トンネルの心霊考察
欽明路トンネルで起きている現象は、単なるオカルト話では片づけられない重みを持っている。
頻発する死亡事故、霊の目撃証言、そして地元で共有されている「呼ばれる」という感覚――これらは、すべてがトンネル出口という一点に集約されている点で異常である。
霊的存在が特定の場所に留まる理由として、未練・怨念・事故死の反復といった要素が考えられる。
欽明路トンネルには、水兵の霊が自ら命を絶ったとされる過去、そしてそれを想起させるような事故の連鎖がある。
いわば、“過去の死”が“現在の死”を呼び込んでいるとも言えるのではないか。
事故現場に“呼ぶ霊”がいるという話は日本各地に点在するが、欽明路トンネルほど多くの証言と現実の死亡事故が重なるケースは珍しい。
現代においても、この場所は“今なお終わらない霊の通り道”である可能性が高い。
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