大分県の山間にひっそりと存在する水分隧道(みずわけトンネル)。昼間はただの古びたトンネルに見えるが、夜になると“赤い女の霊”や“少年の霊”が現れるという不気味な噂が絶えない。今回は、水分隧道(水分トンネル)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
水分隧道(水分トンネル)とは?

水分隧道(みずわけずいどう)は、大分県由布市と玖珠郡九重町の境に位置する水分峠にある、長さ180メートルのトンネルである。
1962年(昭和37年)に開通し、今なお国道210号線の一部として使用されている。
このトンネルが位置する水分峠は、東の大分川水系と西の筑後川水系とを分ける“分水界”となっており、それが「水分(みずわけ)」の名の由来である。
見た目は一見ただの古い隧道に過ぎないが、昼と夜とでまるで雰囲気が一変する。
不気味な静けさと湿った空気が、異界の入口を思わせる場所である。
水分隧道(水分トンネル)の心霊現象
水分隧道(水分トンネル)の心霊現象は、
- 赤い服を着た女の霊が現れる
- トンネル内に少年の霊が立っている
- 深夜に通ると“誰か”に見られている感覚に襲われる
- トンネル通過直後の急カーブで事故が多発する
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、最も有名なのは「赤い服を着た女性の霊」である。
目撃例は主に深夜に集中しており、車のヘッドライトがトンネル内に差し込むと、ぼんやりと赤い影が浮かび上がるという。
助手席に人を乗せていないはずなのに、ルームミラーに誰かが座っている姿が映ったという証言もある。
次に、「少年の霊」がトンネル内に現れるという話がある。
霧のような影が立ち尽くし、車が近づくとスッと消える。
だが、その直後にブレーキが利かなくなる、あるいはエンジンが一瞬止まるという不具合に見舞われるという不気味な連鎖も語られている。
さらに、「見られている感覚」についてだが、通行中に強烈な視線を感じてバックミラーを確認するも、そこには誰もいない。
ただ、不気味な“息遣い”だけが車内に響くことがあるという。
最後に、トンネルを抜けた直後のカーブで事故が多発している点も見逃せない。
赤い霊や少年の姿に驚いてハンドル操作を誤るドライバーが多いとされ、まるで“霊に導かれるように”車が吸い寄せられるという噂も絶えない。
水分隧道(水分トンネル)の心霊体験談
ある男性が、深夜に水分隧道を通過した際の話である。助手席には誰もいなかった。
しかしトンネル内に差しかかると、ふと横に赤いワンピースを着た女性が座っているのに気づいたという。
目を疑い、二度見するとそこには誰もいなかった。
しかし背中には冷たい汗が流れ、手の震えが止まらなかった。
また、別の若者は、バイクでトンネルに入った瞬間にエンジンが一瞬止まり、急にヘルメットの中から“子どもの笑い声”が聞こえたという。
辺りに子どもなどいなかったにもかかわらず、振り返ると白い影が立っていたと言う。
水分隧道(水分トンネル)の心霊考察
水分隧道には、実際に死亡事故や事件の記録が存在するわけではない。
だが、それにも関わらず、これほど具体的な霊の目撃例や体験談が多く語られているのは異様である。
考えられるのは、この場所が“分水界”という特殊な地理的条件にあることである。
水の分かれ目には、古来より霊的エネルギーが集中しやすいとされてきた。
加えて、トンネルという密閉された構造、夜間の湿気と静寂、不意の急カーブといった要素が、人間の感覚を鋭敏にし、異界との“すきま”を開く可能性がある。
また、「赤い服の霊」は全国の心霊スポットでもしばしば報告される存在であり、“事故死した女性の怨念”という共通点を持つとされる。
水分隧道にも、報道されていない事故死や自殺が隠されているのかもしれない。
峠道にありがちな“記録に残らない死”があったとしても不思議ではない。
霊的に見るならば、このトンネルは“道の分岐”だけでなく“生と死の分岐点”にもなっているのではないか──。
そう思わせるだけの、底知れぬ異質さが水分隧道には漂っている。
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