福岡市南区にある老司緑地には、かつて岩と一体化した幽霊が現れたという奇怪な噂が残されている。現在は整備された公園となっているが、その土地には未だ不穏な気配が漂うという。今回は、老司緑地にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
老司緑地とは?

老司緑地は、福岡市南区老司に位置する緑豊かな公園である。
現在は芝生の広場や滑り台一体型の遊具、簡素なトイレが整備された普通の公園として地域住民に利用されているが、駐車場は存在しない。
しかしこの場所、かつては舗装もされておらず、周囲に家すらない荒れ地であった。
岩肌が剥き出しになったその土地には、人々が忌み嫌い避けて通るような異質な空気が漂っていたという。
現在の整った姿からは想像もつかない、恐ろしい過去が眠っているのだという。
老司緑地の心霊現象
老司緑地の心霊現象は、
- 岩と一体化した男性の霊の出現
- 空き地にボーっと立ち尽くす複数の幽霊の目撃
- 心霊スポットに囲まれた地理的要因による霊の流入
- 夜間に公園内で感じる強い視線と足音
である。以下、これらの怪異について記述する。
老司緑地にまつわる最も異様な霊は、「岩と癒着した幽霊」である。
目撃されたのは1980年代、まだ公園として整備される前の時代だった。
当時この地は荒れ地で、剥き出しの岩が広がる不気味な風景が広がっていた。
その中に一体、岩に下半身が融合したかのような中年男性の霊が佇んでいた。
彼はまるで、岩と一緒に地面から生えているかのような姿で、何も語らず、ただ遠くを見つめていたという。
古びた衣服に身を包み、異様な存在感を放っていたその霊は、子供たちの間でも「岩のおじさん」として語られていた。
この奇妙な霊は、老司地域に多く出没していた「空き地に立ち尽くす幽霊たち」のひとつであった。
記録によれば、当時この周辺では少なくとも六体の幽霊が確認されていたとされる。
その後、老司地域は開発が進み、道が舗装され住宅が立ち並ぶようになった。
それに伴い、一体また一体と霊の姿は消えていった。幽霊たちは、どこへ行ったのだろうか。
現在の老司緑地は、かつての不気味な荒地から一変し、明るく整備された空間となった。
しかし、それはあくまで表面上の話であり、土地そのものが持つ“記憶”が完全に消えたわけではない。
夜になると、公園内で背後から強い視線を感じたり、誰もいないはずの茂みから足音が聞こえるという体験談が後を絶たない。
老司緑地の心霊体験談
ある地元住民の話によれば、冬のある乾いた夜、人気のない老司緑地を通りかかった際、ふと視線を感じて振り返ると、公園の奥にある遊具の陰に、黒い影のようなものがじっとこちらを見ていたという。
近づこうと一歩踏み出した瞬間、その影は音もなく消えた。
また、深夜に犬の散歩で公園を訪れた別の人物は、愛犬が突然うなり声をあげて逃げ出し、二度とその公園に近寄ろうとしなかったという。
人間には見えない“何か”を、犬が感知していた可能性は高い。
老司緑地の心霊考察
老司緑地の心霊現象は、単なる偶然では済まされない。
かつてこの地に存在していた「岩と癒着した霊」のように、非常に珍しい形態の幽霊が目撃されていることから、土地そのものが強い霊的エネルギーを帯びていた可能性がある。
さらに、老司緑地は心霊スポットに囲まれた立地にある。
北には野多目大池、南には営業中のため詳細非公開の心霊スポットが複数存在し、西には火葬場とやよい坂がある。
これらの場所から霊が流れ込み、老司緑地に集まっているという説もある。
整備され姿を変えたとはいえ、老司緑地は過去に存在した怨念の記憶が完全に消えたわけではない。
現代の静けさの中にも、ふとした瞬間に、過去の影が顔を覗かせるかもしれない。
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