和歌山県にある旧大川峠には、かつて走り屋や観光客が集った過去がある。しかし現在では、通行止めとなった旧道とその周辺に数々の心霊のウワサが残されている。今回は、大川峠にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
大川峠とは?

大川峠は、和歌山県和歌山市深山と加太を結ぶ岬加太港線(県道65号)の旧道に位置する峠である。
2006年に大川トンネルが開通したことにより、現在では車両通行が禁止され、徒歩と自転車のみが通行可能な道となっている。
この峠はかつて、急勾配とタイトなカーブが連続することから、関西の走り屋たちが集う名所として知られていた。
その結果、交通事故が頻発し、多くの命が失われたとされる。さらに、切り立った崖からの投身自殺も多く報告されており、暗い過去を持つ場所である。
峠の頂上付近には「大川遊園潮騒(おおかわゆうえんしおさい)」という廃墟が残っており、ここでは焼身自殺があったという噂もある。
この廃墟には、観覧車や遊具などが残されており、かつての賑わいとは裏腹に、不気味な静寂が漂っている。
大川峠の心霊現象
大川峠の心霊現象は、
- 少年の霊が現れる
- 首なしライダーの目撃情報
- 心霊写真が撮れる
- 自殺者の霊の出現
である。以下に、これらの怪異について記述する。
少年の霊が現れる
峠を歩いていると、ふと後ろからついてくる足音がする。
振り返っても誰もいない。だが、すれ違った登山者が一言、「今の、君の弟さんかと思った」と言うという。
そこには、古びた学生帽をかぶった少年の姿が一瞬だけ見えたとも…。
首なしライダーの目撃情報
夜の峠道で、不自然なエンジン音がこだますることがある。
誰もいないはずの道で、ふいに現れるバイクの光。
しかし、それはヘルメットも首もないライダーであったという。
事故死した走り屋の霊ではないかと噂されている。
心霊写真が撮れる
観光客や探索者が撮影した写真に、あり得ない影が映り込むことが多い。
木々の隙間に立つ人影や、遊具の中からこちらを見つめる黒い影。
その多くが、現地にいなかったはずの存在である。
自殺者の霊の出現
崖下を覗き込んだ際、白い着物を着た女性がこちらを見上げていたという話が残っている。
また、廃墟の潮騒では、焼け焦げた人影が彷徨っているとも。
かつての投身者や焼身自殺者の霊が、今もなお現れ続けているのだ。
大川峠の心霊体験談
ある探索者が夏の日に旧道を歩いた際、途中で急に空気が冷たくなり、肌寒さを感じたという。
廃墟となった潮騒に入ると、突然カメラのシャッターが勝手に切れ、撮影された写真には、誰もいないはずのテーブル席に座る少年が写っていた。
また別の人物は、観覧車の下でうめき声のような音を聞いたと証言している。
大川峠の心霊考察
大川峠は、心霊スポットとしての条件が揃いすぎている。
かつて多くの人命が失われた交通事故現場、命を絶つ者が訪れた投身自殺の崖、そして焼身自殺が行われた遊園地の廃墟。
これらの要素が重なった結果、この地には強い残留思念が渦巻いていると考えられる。
特に心霊写真の撮影事例が多い点からも、霊的な存在がこの地に留まり続けていることは間違いない。
少年の霊や首なしライダーは、成仏できずに時間に取り残された存在であり、訪れる者に気づいてほしいと願っているのかもしれない。
現在、道は整備され自転車道として再生されつつあるが、その静けさの裏には、未だ語られぬ霊の声がひそんでいるのである。
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