長崎県長崎市にある「坂本国際墓地」は、日本人を含む14か国325名が埋葬されている外国人墓地である。この場所には昔から数々の心霊現象が囁かれており、地元では“行ってはいけない心霊スポット”として知られている。今回は、坂本国際墓地にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
坂本国際墓地とは?

坂本国際墓地(さかもとこくさいぼち)は、長崎県長崎市坂本町・目覚町に位置する外国人墓地であり、長崎市が管理する霊域である。
1888年、埋葬者が増えて手狭となった大浦国際墓地の代替として開設された。
この墓地には、日本人を含む14か国の325名が静かに眠っており、長崎に現存する外国人墓地の中では最大規模を誇る。
敷地面積は5,594平方メートル。墓地は入口からの距離によって1等・2等・3等の区画に分かれ、イギリス人、アメリカ人、ユダヤ人、義和団事件の犠牲者などがそれぞれの区域に埋葬されている。
また、原爆投下後に尽力した長崎医科大学名誉教授・永井隆と、その妻・緑の遺骨もこの地に眠っている。
隣接地には、1903年に開設された新坂本国際墓地が存在し、こちらには日本人を含む13か国・117名が埋葬されている。
両墓地合わせて、深い歴史と異国の霊たちの静寂が息づいている。
坂本国際墓地の心霊現象
坂本国際墓地の心霊現象は、
- 滝付近で赤い光が人の周囲に漂う
- 黒い人影が追いかけてくる
- ミラー越しに迫る黒影
- 生気を奪われたような友人の変貌
である。以下、これらの怪異について記述する。
坂本国際墓地の心霊現象は、墓地内の“滝”と深く結びついている。
ウワサによれば、この滝こそが最も「やばい」場所であるとされ、肝試しに訪れた者が恐怖の体験を持ち帰るのは決まってこの場所である。
ある者が滝の前で写真を撮ろうとしたとき、友人の顔の周囲に、ぼんやりと赤い光が浮かび始めた。
それは最初、ただの光の反射に見えたが、見る者によっては全く見えていなかったという。
つまり、赤い光は“選ばれた者”の目にしか映らない現象なのである。
そして帰路、車のサイドミラーやバイクのミラーに、異形の「黒い人影」が映り込む。これがただの影ではない。
まるで瞬間移動をするかのように、距離を一気に詰めてくる。
ひとたびその影に追われ始めると、常識的な速度や距離感は通用しない。
ミラー越しに見えるその影は、まるで運転手に取り憑こうとしているかのように近づいてくるのである。
中には、影が見える者だけが“霊的な存在”を認識しており、他の同行者は一切何も感じていなかったという体験談も存在する。
しかも、霊を見た者の様子は、他者の目には「まるで取り憑かれていたように」映っていたという。
坂本国際墓地の心霊体験談
坂本国際墓地に友人と肝試しに訪れた人物の体験談を紹介する。
滝が最もヤバいという噂を耳にし、その場所を目指して墓地内を探索したが、何事も起こらなかった。
期待外れに終わったかに見えたが、本当の恐怖はその帰り道に待っていた。
車に乗り込む直前、ふと友人の方を見たその瞬間、赤い光をまとった何かが友人の周囲を漂っていた。
「あれは何だ?」と問いかけるも、友人には何も見えていない様子だった。
そのとき、ふと思い出した。「赤いオーラの霊は危険信号」だと。
霊感のある者が語っていた言葉が脳裏をよぎり、急いでその場を離れることにした。
しかし、車を走らせるとミラー越しに“黒い影”が現れた。
それは人の形をしており、車の後方からものすごい速度で迫ってくる。
見えたり消えたりを繰り返しながら、まるで生きている人間のようにミラーに映るその影。
恐怖からアクセルを踏む力が自然と強くなっていった。
そして横を見ると、友人の顔は血の気が引き、生気を失ったような様子。
目の焦点は合っておらず、口は半開きで一言も発しない。
声をかけても反応はない。
コンビニに滑り込むように停車し、ふと見ると黒い影は消えていた。
そして友人の顔にも生気が戻っていた。
「なんで急にスピード出したんだよ! 危ないだろ!」
怒る友人に驚き、さきほどの体験を話すと、彼はさらに驚愕した。
友人から見た自分は、真っ直ぐ前を見たまま何度呼びかけても無反応で、まるで別人のようだったという。
お互いの記憶が食い違っていたが、一つだけ確かなのは、“あの滝を訪れた後に、何かが起きた”ということである。
坂本国際墓地の心霊考察
坂本国際墓地における心霊現象は、単なる偶然や思い込みとは思えないほど、具体的かつ一致した特徴を持つ。
特に「赤い光」と「黒い影」、そして“取り憑かれたような精神の変容”という三要素は、場所に宿る霊的な力の強さを示唆している。
墓地内の滝は特異な地形と湿気、そして霊的な“通り道”が重なっている可能性があり、ここが霊的なエネルギーの集積地となっているのかもしれない。
また、赤い光は霊的警告の象徴とも言われる。
これは霊視における“危険な霊の兆候”ともされており、見る者の霊感によって見える・見えないが分かれるのも特徴である。
黒い影は亡者の魂の一形態とも考えられ、未練や怒りを抱えた存在が人間の気配を追って現れるとも言われる。
急に気配を消し、再び現れるという不可解な行動は、“生者を翻弄しようとする意志”すら感じさせる。
この墓地に眠る325名の中には、異国で不慮の死を遂げた者、名も知れぬ異郷の者も多い。
滝という場所に彼らの想念が集まり、侵入者に対し何らかの警告を発しているのだとしたら…。
坂本国際墓地を訪れる際は、決して軽い気持ちで踏み入れてはならない。
霊を怒らせれば、それは“ただの恐怖体験”では済まされないものになるかもしれない。
コメント