式見トンネルのウワサの心霊話

長崎県に実在する「式見トンネル」は、古くから数々の怪異が報告されてきた心霊スポットである。車内に響く謎の声、現れる上半身だけの霊、不気味な冷気——。今回は、式見トンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。


式見トンネルとは?

式見トンネルの外観

式見トンネルは、長崎県に位置する全長約108メートルの古びたトンネルである。

周囲は住宅街に囲まれ、大通りからはやや離れた静かな場所にひっそりと口を開けている。

幅員2.5メートル、高さ制限3.2メートルという狭さが、圧迫感を与える。

外観は一見普通の古いトンネルだが、内部に足を踏み入れると異様な空気が漂う。

鉄板で補強されている部分もあれば、手彫りかと思わせるゴツゴツとした岩肌がむき出しになっている箇所もある。

まるで地中深くへと引きずり込まれるような、そんな不気味な雰囲気が漂っている。

かつてこの付近では交通事故が相次ぎ、それ以来、奇怪な現象が報告されるようになったという。


式見トンネルの心霊現象

式見トンネルの心霊現象は、

  • 車のオーディオから突然「苦しい…」という声が聞こえる
  • 上半身だけの男性の霊が追いかけてくる
  • クラクションを鳴らすと「呼んだ?」と女性の霊が現れる
  • 夜になると、トンネル全体が異様に冷え込む

である。以下、これらの怪異について記述する。

最も有名な現象のひとつが、「オーディオからの声」である。

夜、トンネルを通過中に車内のオーディオから突然、かすれた声で「苦しい……」と絞り出すような声が響く。

この声は録音された音ではなく、生々しい息づかいと苦悶が混じっており、思わず音量を下げようと手が震えるという。

さらに恐ろしいのは、上半身だけの男性の霊の目撃情報である。

この霊は、交通事故で無残に命を落とした男性の霊だと言われており、トンネル内を走行中の車の後部に張りつくように現れ、そのまま並走してくる。

バックミラー越しにその姿が見えるとされており、恐怖のあまりハンドル操作を誤る者も少なくない。

また、肝試しとして有名なのが「クラクションの儀式」である。

夜中にトンネルの中で車を停め、クラクションを一度鳴らすと、「呼んだ?」と不気味な声がして、助手席に知らぬ女性の霊が乗り込んでくるという。

霊はじっと運転手の顔を見つめ、次第に表情を崩し、何かを囁きながら消えていくという。

最後に、物理的な異常として「異様な冷気」がある。

真夏でさえ、トンネル内に入ると急激に気温が下がり、息が白くなることもある。

この冷気の正体は不明であるが、まるで何者かが触れてくるような寒さが肌を刺すという。


式見トンネルの心霊体験談

ある地元の男性は、深夜に式見トンネルを通過中、突然助手席のドアがカチャリと開く音を聞いた。

もちろん鍵は施錠されていた。

驚いて視線を向けると、そこには濡れた髪の女性が座っていたという。

彼女は黙って前を向いていたが、トンネルを抜けた瞬間にすっと消えた。

別の女性は、スマホの録音アプリでトンネル内の音を記録していたところ、後から再生すると「帰れ…帰れ…」と呟く声がはっきりと入っていたという。

車内には彼女一人しかおらず、その声は明らかに低く、男性のものだった。


式見トンネルの心霊考察

式見トンネルにまつわる心霊現象は、偶然や錯覚の一言で片づけるにはあまりにも具体的で一貫性がある。

オーディオからの声や霊の出現、異常な寒気など、いずれも人間の生理的反応に訴えかける要素が強い。

特に注目すべきは、「音」にまつわる現象である。

霊的存在が最も干渉しやすい媒体のひとつが音波だと言われており、トンネルという閉鎖的かつ反響の多い構造が、それを助長しているのではないかと考えられる。

また、上半身だけの霊の出現は、死後もなお自身の無念を表現しているとも捉えられる。

事故死という突然の終わりを迎えた魂が、成仏できず、現世に強い執着を残しているのであろう。

式見トンネルはただの老朽化した構造物ではない。

その場に刻まれた「死の記憶」が、いまだそこにとどまり、通る者すべてに警告を発しているのかもしれない。


式見トンネルの地図

本記事は、「心霊現象の考察」シリーズの思想を踏まえて執筆している。
幽霊の存在を断定するのではなく、人間の認識や記憶、土地や出来事がどのように「心霊」という物語として語られてきたのか、という視点から整理を行っている。

なお、本サイト内には執筆時期の異なる記事が混在しており、すべての記事が同一の考察軸で統一されているわけではない。
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