和歌山県和歌山市にある「鷹の巣遊園」は、かつて観光地として賑わった場所であるが、廃墟と化したことで、数々の心霊体験が語られているという。今回は、鷹の巣遊園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
鷹の巣遊園とは?

鷹の巣遊園は、和歌山県和歌山市雑賀崎の雑賀崎灯台駐車場近くに存在していた観光施設である。
1970年代に開業したと推測されており、当時は入場料300円で海岸へと下りることができた。
道中には鷹の巣断崖や上人洞などの自然景勝地が点在し、観光客に人気のスポットであった。
2009年頃までは営業していたというが、次第に利用者が減少し、2018年の時点では看板を残すのみで草木が繁茂し、立ち入りは不可能となっていた。
また、雑賀崎灯台駐車場の一角には「たかの巣センター」などの施設があり、外観こそ現役風ではあるが、実際には落書きや野犬が徘徊する荒れ果てた廃墟となっていた。
2020年には「テイクアウトカフェOcean」として建物の一部が改装されたが、海岸へと続く旧遊園部分は依然として閉ざされたままである。
この一帯は、かつて豊臣秀吉の紀州征伐後に廃城となった雑賀崎城の跡地であり、崖下にある上人洞は教如をかくまうための隠れ家であったとされる。
こうした複雑な歴史と長年の廃墟化によって、鷹の巣遊園には数々の不気味な現象が報告されるようになったのである。
鷹の巣遊園の心霊現象
鷹の巣遊園の心霊現象は、
- 女性の霊が現れる
- 誰かに見られているような視線を感じる
- 背後に人の気配がする
- 不気味な空気に包まれる
である。以下に、これらの怪異について記述する。
かつて人々で賑わった鷹の巣遊園は、現在では異様な静寂に包まれている。
その中で特に多く報告されるのが「女性の霊」である。
海岸へと下る細道の途中で、白い服を着た女性の姿が見えた、という目撃談が複数存在しており、彼女はこちらをじっと見つめていたとも言われている。
また、その道を通ると必ずといっていいほど「誰かに見られている」ような感覚に襲われる。
背筋に冷たいものが走り、背後から足音のような音がついてくることもあるという。
さらに、この場所に足を踏み入れると、空気が急に重く感じられ、不気味な静けさが辺りを包み込む。
あたりを見渡しても誰もいないが、確かに「何か」がこちらを見ているような、そうした異様な雰囲気が漂っている。
鷹の巣遊園の心霊体験談
ある訪問者は、日中でありながら道中の崖沿いで強い視線を感じたという。
誰もいないはずの草むらの中から何者かの目がじっとこちらを見ている感覚に耐えられず、すぐに引き返したとのこと。
帰り道でも背中に視線を感じ続け、最後には灯台駐車場付近で突然耳鳴りが始まり、急に呼吸が苦しくなったという。
鷹の巣遊園の心霊考察
鷹の巣遊園に現れる霊現象は、その廃墟的な景観による心理的影響だけでは説明しきれない部分がある。
実際に視線を感じた、気配を感じたという体験談が多く寄せられており、その多くが似通っていることからも、偶然や思い込みの域を超えているように思える。
また、この地がかつて豊臣秀吉の軍勢によって廃城となった雑賀崎城の跡地であることを考慮すると、過去に命を落とした者たちの怨念が今もなお漂っている可能性は否定できない。
上人洞に隠れた教如の存在もまた、この地に特別な霊的エネルギーを残したのかもしれない。
改装されたとはいえ、遊園の跡地には今も人の立ち入ることは叶わず、封じられたままの空間である。
そこには、忘れ去られた記憶と共に、成仏できない魂たちが静かに彷徨っているのかもしれない――。
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