高知県須崎市にある「電子基準点須崎の電話ボックス」には、残酷な事件の痕跡が今も残るという。かつてこの場所で起きた女子高生殺人事件をきっかけに、夜ごと“誰か”の気配が漂うと噂されている。今回は、電子基準点須崎の電話ボックスにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
電子基準点須崎の電話ボックスとは?

「電子基準点須崎の電話ボックス」は、高知県須崎市浦ノ内福良の県道47号線・横浪黒潮ライン沿いに存在する。
もともとは1984(昭和59)年に開園した「高知県立横浪こどもの森」の駐車場であり、園内にはアスレチックやキャンプ場などが整備され、家族連れで賑わう自然公園であった。
しかし、2004(平成16)年8月をもって閉園。
以降は駐車場だけが開放されていたが、2013年頃に完全閉鎖となった。
その後も敷地の奥には国土地理院の電子基準点が残され、道路沿いにはひっそりと電話ボックスが設置されたままである。
だがこの場所は、かつて女子高生の遺体が発見された“現場”として知られており、地元では今も恐怖と悲しみをもって語り継がれている。
電子基準点須崎の電話ボックスの心霊現象
電子基準点須崎の電話ボックスの心霊現象は、
- 深夜、電話ボックスの受話器が勝手に鳴る
- ガラス越しに制服姿の女子高生が立っている
- 車の窓越しに白い顔がのぞき込む
- 誰もいないのに「もしもし」と女性の声が聞こえる
である。以下、これらの怪異について記述する。
この場所の噂は、1997(平成9)年4月に発生した「横浪女子高生殺人事件」に端を発している。
当時、須崎市の高校に通う17歳の女子生徒が自宅を出たまま行方不明となり、数週間後、この駐車場裏の雑木林で遺体となって発見された。
遺体は宗教家の助言を頼りに家族が必死の捜索を行った末に見つかったものであり、両親が自らの手で娘の無残な姿を見つけるという、あまりに悲惨な結末であった。
事件後、この一帯は封鎖され、車の侵入ができないようになっている。
しかし、電話ボックスだけは取り残されたように立ち続けている。
地元では、事件直後から奇妙な現象が頻発したという。
ある夜、通りかかった運転手がボックス内の電話が鳴る音を聞き、誰もいないのに受話器が外れていた。
また、別の夜には、ガラス越しに“制服姿の少女”が立っていたという証言が複数寄せられている。
ボックス内に足を踏み入れると、かすかに湿った空気と、誰かが泣いているような声が聞こえるという。
まるでこの地に取り残された“誰か”が、まだ助けを求めているかのようである。
電子基準点須崎の電話ボックスの心霊体験談
須崎市在住の男性による体験談がある。
彼は友人と夜の横浪黒潮ラインをドライブしていた際、話の流れで“電話ボックスを見に行こう”ということになったという。
到着すると、ボックスの中にうっすらと明かりが灯っており、受話器が宙ぶらりんに揺れていた。
「誰かいるのか」と思い近づいた瞬間、ガラスの内側に“白い顔”が映り、男性はそのまま悲鳴を上げて逃げ出した。
後日、彼は夢の中でその電話ボックスに再び立っていた。
受話器の向こうから「もしもし」と、途切れ途切れの声が聞こえたという。
目が覚めたあとも、耳の奥にその声が残り続け、数日間、夜になると必ず電話のベルが聞こえたそうである。
電子基準点須崎の電話ボックスの心霊考察
この電話ボックスにまつわる霊現象は、女子生徒の無念が今もこの地に残っているためと考えられている。
彼女が最後に友人と連絡を取ろうとした携帯電話は、現場付近で発見されている。
電話という“通信手段”が象徴的に残されたこの場所に、彼女の思念が引き寄せられても不思議ではない。
通話を求めるかのように鳴る受話器、助けを呼ぶような声。
そのどれもが、生前の彼女が最後まで“誰かとつながろうとした”痕跡なのかもしれない。
いまも深夜、須崎の山間を抜ける風の音に混じって、「もしもし…」という声が聞こえるという。
それは、電子基準点須崎の電話ボックスに封じられた“声なき通話”の名残である。
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