愛媛県今治市古国分の小高い岡に佇む今治藩主の墓は、歴代藩主の眠る厳かな史跡である。しかしこの場所では、誰もいないのに人の気配を感じたりといった報告が数多くある。今回は、今治藩主の墓にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
今治藩主の墓とは?

愛媛県今治市古国分に位置する小高い岡の上には、三基の墓が並んでいる。
これらは今治藩主であった初代・松平定房、三代・松平定陳、四代・松平定基の墓であり、久松松平家の歴代藩主を祀る場所として知られている。
この地は古くから「殿様墓」と呼ばれ、地域の人々にとって畏れの対象であった。
太平洋戦争中の空襲によって周囲の墓の多くは破壊され、今もなお残されているのは僅かなものに過ぎない。
そのため、この地には時代を超えて数多の怨嗟や未練が積み重なっていると考えられている。
今治藩主の墓の心霊現象
今治藩主の墓の心霊現象は、
- 誰もいないのに人の気配を感じる
- 墓前で男性の声が聞こえる
- 撮影した写真に無数のオーブが写り込む
- 背後から視線を感じる
である。以下、これらの怪異について記述する。
人の気配を感じるという現象は、この場所に立った者が共通して語る体験である。
風もなく静まり返った墓地で、誰かがすぐ後ろに立っているような錯覚に襲われる。
振り返っても誰もいないが、その圧迫感はしばらく消えず、長居することは難しいという。
また、男性の声が聞こえるという報告も多い。低く呻くような声や、誰かが話しかけてくるような気配を耳にしたという証言が存在する。
その声は藩主たちのものなのか、それとも近くの古国分山で命を絶った者のものなのか定かではない。
さらに、訪問者が撮影した写真には度々オーブが映り込み、時に人の顔のような影が浮かび上がることもある。
中には白いもやのようなものが墓石にまとわりついていたという報告もある。
そして、この地で最も恐ろしいとされるのが「視線」である。誰もいない墓前で、複数の人々が「強烈に見つめられている」と証言している。
振り返っても誰もいないが、墓の奥から冷ややかな眼差しが突き刺さるように感じられるのである。
今治藩主の墓の心霊体験談
ある訪問者は、墓前で合掌した直後、背後から「フッ」と吐息のようなものを耳に感じたという。
周囲に人影はなく、同行者も誰も気づいていなかったという。
また別の訪問者は、墓を撮影した際、写真の中央に白い光の玉がいくつも浮かび上がっていた。
現場では気づかなかったが、帰宅して写真を確認した瞬間、背筋が凍りついたと語っている。
さらに、夜間に訪れた者は「おい…」という低い声をはっきりと耳にしたという。
恐怖のあまりその場から逃げ出したが、その後もしばらく耳に残るように声がこだまし、眠れぬ夜を過ごしたと証言している。
今治藩主の墓の心霊考察
今治藩主の墓にまつわる怪異は、藩主たちの霊というよりも、この地・古国分山で過去に命を絶った者の霊が影響していると考えられている。
自殺や戦災により無念の死を遂げた魂が、藩主の墓という荘厳な場に引き寄せられ、訪問者に姿を見せているのかもしれない。
しかし同時に、久松松平家の藩主たちは徳川一門に連なる存在であり、その威光と畏怖は今もなおこの地を覆っている。
そのため、この場に立ち入った者が「強烈な視線」や「声」を感じるのは、殿様たちの眠りを妨げられた怨嗟の表れとも解釈できる。
いずれにせよ、今治藩主の墓はただの史跡ではなく、今なお不気味な気配を放ち続ける場所である。
そこに足を踏み入れる者は、軽い気持ちでは決して行かない方が良いだろう。
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