和歌山県の沖合に浮かぶ友ヶ島。近年、観光スポットとしても注目されているこの地には、ある“恐ろしいウワサ”が囁かれている。今回は、友ヶ島にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
友ヶ島とは?

友ヶ島とは、紀淡海峡に浮かぶ地ノ島・虎島・神島・沖ノ島の4つの無人島群の総称である。
明治時代、この地は大日本帝国陸軍によって大阪湾防衛の要塞地帯とされ、沖ノ島と虎島には砲台や防備衛所が築かれた。
特に沖ノ島には旧日本軍の遺構が数多く残っており、その独特な景観は「天空の城ラピュタ」のようだと称され、ホラーゲーム『SIREN2』や映画『彼岸島』のモデルにもなったと言われている。
現在ではハイキングや廃墟巡りを楽しむ観光客も多く訪れるが、その美しさの裏側に“何か”が潜んでいるような不気味さを覚える者も少なくない。
友ヶ島の心霊現象
友ヶ島の心霊現象は、
- 軍靴の足音が響く
- 軍服姿の男性の霊が現れる
- 人影が林の奥に消える
- 誰もいないはずの砲台跡から視線を感じる
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も多く報告されているのが「軍靴の足音」である。
廃墟となった砲台跡の付近では、観光客が立ち入っていないにも関わらず、コツ、コツ…と軍靴のような重い足音が背後から近づいてくることがあるという。
振り返っても誰もいない。ただ、足音だけが耳に残り、やがて遠ざかっていく。
また、軍服姿の男性の霊が林の奥や砲台跡に立っていたという目撃情報もある。
その霊は無言で佇み、やがて霧のように消えていくという。
姿は鮮明で、旧日本軍の制服を着ていたと証言される。
さらに、深い森を歩いていると、明らかに人の気配があるのに誰も見当たらないことがある。
写真を撮った際に、木陰に人影が写り込んでいたという例も報告されている。
とある第2砲台跡では、突然肌寒くなり、背筋が凍るような感覚を覚えたという者もいる。
その場からすぐに離れたにも関わらず、誰かに“見られている”ような強烈な視線が背後から刺さり続けたという。
友ヶ島の心霊体験談
和歌山県内に住む30代の男性が友ヶ島を訪れた際の体験である。
彼は友人とともに第3砲台跡を訪れたが、周囲には誰もいないはずなのに「ザッ、ザッ…」と何かが歩く音が木々の奥から聞こえてきたという。
友人と目を見合わせ、その場を離れようとした瞬間、遠くのトンネルの中に軍帽を被った人物の影が見えたという。
慌ててシャッターを切ったが、写真には白いモヤと、うっすらと肩から上だけの人物像が写っていた。
帰宅後、体調を崩し、1週間ほど高熱が続いたという。
友ヶ島の心霊考察
友ヶ島で多く報告されているのは「旧日本軍の霊」である。
だが、奇妙な点がある。
記録によれば、友ヶ島に配置された約400名の兵士は、終戦を生きて迎え、戦死者は出ていないとされている。
もしこれが事実であれば、この地に現れる霊は一体誰なのか?
一説によれば、島での任務中に精神を病んだ兵士が自害した、あるいは訓練中の事故で命を落とした者がいたのではないかという。
また、終戦時に米軍の攻撃で一部の砲台が破壊された記録もあり、それにより何らかの犠牲者が出た可能性も否定できない。
あるいは、軍隊という強い怨念や規律の念がこの地に染みつき、形を持たない“気配”として人々に影響を与えているのかもしれない。
無人島という孤立した環境も、霊的存在の現れやすさに拍車をかけているのだろう。
「誰もいないはずの足音」「現れる軍人の霊」――これらがすべて幻覚であるとは、もはや言い切れない。
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