雄神地下工場は、三菱重工が戦時中に建設した未完成の地下工場です。朝鮮人労働者が過酷な条件で働かされた現場として知られ、現在でも成仏できない霊が現れるという。今回は、雄神地下工場のウワサの心霊話を紹介する。
雄神地下工場とは?
雄神地下工場は、正式には「三菱重工・雄神地下工場」である。
その他の情報で、不二越雄神地下工場と紹介されている誤報があるが、「不二越・文珠寺地下工場」や「不二越本社富山工場」の情報とごっちゃになっていると思われる。
戦闘機などを生産する三菱重工名古屋航空機製作所は、昭和19年(1944年)末の東南海地震と空襲を契機に富山県に疎開した。
新年から大門町の呉羽紡績(現東洋紡績)の工場を本社として借り、福野・井波の工場などと連携して生産(最高速の100式司令部偵察機)を続けた。
更なる空襲に備え、地下工場の建設を計画し、御神村(現砺波市)に昭和20年(1945年)3月から16本のトンネル掘削工事を始めた。
工事は佐藤組(現佐藤工業)が請け負い、朝鮮人を中心に約1000人が使役され突貫工事がすすめられた。
そのため周辺民家への分宿や朝鮮人の飯場も多く作られた。
トンネルは未完成のうちに敗戦となり、そのまま放置されたのである。
雄神地下工場の心霊現象
雄神地下工場の心霊現象は、
- 朝鮮人の霊が出る
である。多くの労働者が強制労働を強いられ一部の者が精神に支障をきたし、自殺したのではないかと推測する者がいる。
労働者の遺体は、形だけの供養、あるいはろくに供養もされず、そのまま山に放置されたのではにかとウワサされているのだ。
実際、朝鮮人の強制連行はあったことから、無念にも亡くなった者は少なからずいるのではないだろうか。
今でも成仏できない労働者の霊が彷徨い現れるという。
現在、地下工場の入り口は封鎖されており、侵入することは不可能である。
封鎖された地下に眠る悲劇の霊
雄神地下工場は日本の山奥に位置し、かつて多くの朝鮮人労働者が強制労働を強いられた場所である。
ここでは、数々の悲劇が起こり、多くの労働者が命を落としたと云われている。
そして、その霊たちは今もなお成仏できずに彷徨っているというウワサが絶えない。
現在、地下工場の入り口は封鎖されており、立ち入ることは不可能とされているが、それでも好奇心を抑えきれない者たちがいた。
「ここが例の雄神地下工場か…」翔太が地図を見ながら言う。
辺りはすでに暗くなり、工場への道は不気味な静けさに包まれていた。
「本当に入れるの?」健太が不安そうに問いかける。
「封鎖されているって言ってたけど、外からでも何か感じるかもしれない。」翔太が自信ありげに答えた。
若者たちは懐中電灯を片手に、工場の周囲を探索した。
工場周辺は鬱蒼とした森に囲まれており、足元には枯れ葉が厚く積もっている。
風が吹くたびに木々のざわめきが耳に入り、まるで誰かが囁いているかのような不気味さを感じさせた。
「ここに入らなくても十分不気味だね…」麻衣が言う。
突然、美咲が立ち止まり、辺りを見回した。
「何か感じる?」翔太が尋ねると、美咲は小さく頷いた。
「誰かが見ているような気がする…」
その瞬間、背後の茂みからガサガサと音が聞こえた。
四人は振り向いたが、そこには誰もいない。
「ただの風かも…」健太が自分に言い聞かせるように呟いたが、その声には明らかな震えがあった。
彼らがさらに奥へ進むと、突然、暗闇の中から悲鳴が聞こえてきた。
「聞いた?」翔太が驚きの声を上げると、他の三人も頷いた。
「まるで誰かが助けを求めているみたい…」美咲が震える声で言った。
その時、四人の前にぼんやりとした人影が現れた。
灰色の服を着た男の霊が、血まみれの姿で立っていた。
「これは…朝鮮人の労働者か?」翔太が呟くと、霊は悲しげな目で彼らを見つめた。
「ここで起きたことを伝えてほしい…」霊の声が直接彼らの心に響いた。
「我々の苦しみを、忘れないで…」その言葉と共に、霊は消えていった。
美咲は涙を流しながら、「彼らはまだここで苦しんでいるんだね…」と呟いた。
健太もその光景に圧倒され、「こんなに悲惨なことがあったなんて…」と呆然としていた。
工場を後にした若者たちは、再び現実の世界に戻ってきた。
「俺たちができることは、この場所で起きたことを伝えることだ。」翔太が言うと、他の三人も頷いた。
雄神地下工場の霊たちは、今もなお成仏できずに彷徨い続けているのかもしれない。
しかし、翔太たちのようにその存在を認め、語り継ぐ者がいる限り、いつかその魂も救われる時が来るだろう。
彼らはこの場所で起きた悲劇を忘れず、語り継ぐことを誓ったのである。
雄神地下工場の場所・アクセス・地図
雄神地下工場の住所 | 日本、〒932-0301 富山県砺波市庄川町三谷 |
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交通アクセス | 津市から県道59号 と 国道359号 経由で40分 |
最寄りのバス停 | 三谷(徒歩20分)県道25号 経由 |
最寄り駅 | 砺波駅(徒歩1時間24分)県道17号 と 県道25号 経由 |
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