大分県竹田市にある「山手トンネル」には、かねてより不可解な現象が報告されてきた。今回は、山手トンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
山手トンネルとは?

山手トンネルは、大分県竹田市に位置する比較的小規模な古いトンネルである。
近年、隣には新しいトンネルが整備されており、交通の多くはそちらに移行しているが、心霊のウワサが絶えないのは古くからある旧トンネルのほうである。
トンネルの近くには、生目社、稲荷社、そして「山川名水」と呼ばれる湧き水の名所が点在しており、いずれも神聖な空気を漂わせている。
トンネル自体は短く、4.1メートルまでの車両しか通行できない仕様である。
入り口にはコンクリートの補強らしき構造物が見られ、落石防止かは不明だが、かえって人工物特有の異様さを醸し出している。
周囲はうっそうとした木々に囲まれており、人の気配はほとんどない。
山手トンネルの心霊現象
山手トンネルの心霊現象は、
- 赤いランドセルを背負った少女の霊が現れる
- 女性のうめき声がトンネル内で響く
- 通過中に突然車内の温度が下がる
- 生目神社のほうから老婆の霊が現れるという報告
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も有名なのが、「赤いランドセルの少女の霊」である。
トンネルを抜けた後、ルームミラーに映る後部座席に、その少女が静かに座っているという話が複数存在している。
背後に目を向けると何もいないが、鏡越しにはしっかりとこちらを見ているという。
表情は無で、ただ冷たい目だけが印象に残るという。
また、夜間にこのトンネルを通行した際、「ああ……」と呻くような女性の声を聞いたという報告もある。
声はトンネルの壁の中から滲み出ているように聞こえ、急いで通り抜けてもなお、耳に残るという。
さらに不可解なのが、車内の異常な温度変化である。
冷房を切っているにもかかわらず、通行中に息が白くなるほど車内が冷え、窓が一時的に曇る現象が確認されている。
通り過ぎると嘘のように元の温度に戻るため、車の故障では説明がつかない。
トンネルから近い生目神社では、老婆の霊がたびたび目撃されている。
夜間に石段を上る黒ずくめの女性の姿が見られたが、声をかけるとその姿は一瞬にして霧のように掻き消えたという。
まるで何かを探し彷徨っているかのようである。
山手トンネルの心霊体験談
ある男性が、深夜に山手トンネルを通行した際の話である。
トンネルの入り口で何気なく「通らせてもらいます」と声をかけてから走行を始めた。
すると、車内の温度が急激に下がり、ラジオから「ザザッ……ザザ……あ……」と女性の声のようなノイズが入ったという。
無言で走り抜けたが、トンネルを出てしばらくして助手席のドアが「カチッ」と勝手に開いた。慌てて車を止めたが、そこには誰の姿もなかった。
山手トンネルの心霊考察
山手トンネルにまつわる怪異は、トンネル自体の老朽化や周囲の宗教的土地と深く関わっていると考えられる。
特に赤いランドセルの少女の霊については、かつてこの周辺で事故や事件があった可能性を指摘する声もある。
実際に記録は乏しいが、神社や稲荷社といった「霊を鎮める場」が近接している点からも、霊的に敏感な地点であることは間違いない。
老婆の霊やうめき声など、人間の「未練」や「無念」が形をとって現れている可能性が高く、単なる都市伝説で片付けるには体験談があまりに生々しい。
トンネルという閉ざされた空間が、時間を越えて苦しみを封じ込めているのかもしれない。
山手トンネルは、通るだけでもどこか重苦しい気配を感じさせる場所である。
軽い気持ちで近づくべき場所ではないのかもしれない。
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