福岡県田川郡にある油木ダムは、静かな自然に囲まれたダムでありながら、地元では数々の恐ろしい心霊のウワサがささやかれている。特に「首のない女性の霊」や「上半身だけの霊・テケテケ」が出没するという話は有名で、心霊スポットとして知られている。今回は、油木ダムにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
油木ダムとは?

油木ダム(あぶらぎダム)は、福岡県田川郡添田町に位置する重力式コンクリートダムである。
今川本川上流に築かれ、治水、かんがい、水道供給を目的とした多目的ダムとして1971年に完成した。
ダムの高さは54.6メートル。北九州市の水源のひとつとしても知られている。
しかし、この静かなダムには別の顔がある。
完成当時、湖底には津野小中学校の建物が沈んだとされ、今もなおその遺構が水底に眠っているという噂がある。
また、近隣には霊峰・英彦山がそびえ、かつて修験道の霊地として知られたこの地域一帯には、古くから霊的な伝承が根強く残っている。
油木ダムの心霊現象
油木ダムの心霊現象は、
- 首のない女性の霊が湖から這い出てくる
- 上半身だけの霊「テケテケ」が現れる
- 撮影中に火の玉が目撃される
- 足音だけが暗闇に響く謎の現象
である。以下、これらの怪異について記述する。
かつて郵便局の男性職員がダムに転落し、水死するという事故が1999年に発生している。
その後、この地では異常な霊現象が頻発するようになったと噂されている。
首のない女性の霊
夜、油木ダム旧道を歩いていると、湖面から首のない女性の霊が這い出てくるという。
暗闇の中、白いワンピースをまとったその影はゆらゆらと揺れながら近づいてくる。
逃げようと背を向けて走っても、後ろを振り返るとすぐそこに迫っている――という恐怖の噂が絶えない。
「テケテケ」と呼ばれる霊
また、下半身がなく、上半身だけで地面を這いずる「テケテケ」と呼ばれる存在の目撃談も報告されている。
これは、何らかの原因で胴体を切断されて亡くなった女性の霊であり、自らの失った下半身を探しながら「テケテケ」と音を立てて移動するという。
古道では、この音が突然聞こえてきて、姿なき霊がすぐ後ろに迫っていることに気づくこともあるという。
火の玉の目撃
探索者の中には、旧道で撮影中に火の玉を見た者もいる。
何もないはずの闇の奥から、不規則に浮遊する発光体が現れ、突然消える。
その光が現れた瞬間、背後から冷たい視線を感じた、という証言もある。
謎の足音
特に多く報告されるのが、誰もいないはずの道で足音が後をつけてくる現象である。
振り返っても誰もいない。音は止まり、また歩き出すと、再び背後から「コツ、コツ」と追ってくる。
まるで目に見えない何者かに監視されているかのようである。
油木ダムの心霊体験談
「ある夜、友人と油木ダム旧道を歩いていたときのこと。突然、湖の方から『チャポン…』という水音が聞こえた。誰かが水に入ったような音だったが、そこに人影はなかった。ふと気づくと、前方のガードレールのそばに白い服を着た何かが立っていた。顔が見えない。だが、明らかに人間ではなかった。身動きが取れなくなり、震えていると、その“何か”は音もなくこちらに近づいてきた。叫び声すら出せないまま逃げ出し、旧道を必死で駆け抜けた。」
油木ダムの心霊考察
油木ダム周辺で報告される心霊現象は、偶然の一致では片づけられないものが多い。
湖底に沈んだ校舎、過去の転落事故、周囲に点在する水神を祀る祠、そして何より、英彦山という霊的エネルギーが強い山の存在が背景にあると考えられる。
特に「てけてけ」のような霊が目撃されるのは、無念の死を遂げた霊の執念が形を変えて現れている可能性がある。
断片的な体の霊、追いかけてくる霊、そして決して振り返ってはならないという警告――。
これらはすべて、ダムに巣食う「何か」が、今なお訪れる者を拒み続けている証拠なのかもしれない。
一見、自然豊かで静寂なダム。
だが、日が沈んだあとの油木ダムには、決して人の立ち入ってはならない“領域”が存在するのである。
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