愛媛県の海に浮かぶ無人島・由利島には、古くから数多くの怪異が語り継がれている。その中には幽霊譚や不気味な伝承が残されており、今なお恐怖の対象となっている。今回は、由利島にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
由利島とは?

由利島は愛媛県松山市沖に位置する小さな島である。
現在は無人島であるが、かつては「由利千軒」と呼ばれるほど多くの人々が暮らしていたと伝わる。
しかし鎌倉時代の弘安年間、大地震や津波によって大きな被害を受け、その一部は海に沈んだとされる。
近年では、日本テレビの番組『ザ!鉄腕!DASH!!』の舞台「DASH島」としても知られているが、その裏には決して軽視できぬ心霊の噂が潜んでいるのである。
由利島の心霊現象
由利島の心霊現象は、
- 海から女性の霊が現れる
- 「お船にもうし」と名乗る声が深夜に響く
- 船に取り憑き、船員を正気を失わせる霊が出る
- 海に生首が漂うという怪談(マネキンだったとの説もある)
- 平家の亡霊が彷徨うという伝承
である。以下、これらの怪異について記述する。
最も有名なのは「お船にもうし…」という声である。
これは夜の由利島周辺に停泊した舟に必ず聞こえるとされる怪音であり、応じてしまうと美しい女の霊が海中から現れるという。
女は黙って船員を見つめ、やがて姿を骸骨に変えて取り憑くとされ、逃れることは困難である。
また、由利島周辺の海からは女性の幽霊が浮かび上がると噂され、暗い海にただ佇む姿を見た者は、強烈な悪寒とともに理性を失うという。
さらに海面には生首が流れ着いたとの証言もあり、一部はマネキンとされたが、その不気味さが伝承を後押ししている。
さらに、この島には壇ノ浦で敗れた平家の怨霊が彷徨っているという説もある。
潮待ちをしていた船に取り憑く霊の正体は、彼らの無念の魂であるとも語られる。
由利島の心霊体験談
実際に漁師や釣り人がこの島へ近づこうとしたところ、突如として管理会社の船に追い払われたという。
だがその裏には「島に近づかせてはならぬ理由」があるのではないかと囁かれている。
島を見つめるだけで、背筋を氷のような冷気が走ったという体験談もあり、素人が軽い気持ちで渡るべきではないと恐れられている。
由利島の心霊考察
由利島にまつわる霊の正体は、単なる言い伝えに留まらない。
地震や津波で命を落とした人々の怨念、壇ノ浦で果てた平家の魂、あるいは海に沈んだ無数の死者の残響が、夜の海をさまよっている可能性がある。
「お船にもうし」とは、女の霊が現世にすがりつくための最期の呼び声であろう。
由利島は歴史的背景と怪異が結びついた場所であり、決して無人島という言葉だけでは片付けられぬ、深い闇を抱えている心霊島なのである。
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