長崎県佐世保市にあるテーマパーク「ハウステンボス」には、華やかなイルミネーションや異国情緒あふれる街並みの裏で、かねてより数々の心霊現象の報告があるという。今回は、ハウステンボスにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
ハウステンボスとは?

ハウステンボス(Huis Ten Bosch)とは、長崎県佐世保市の針尾島に位置する、日本最大級のテーマパークである。
名前はオランダ語で「森の家」を意味し、実在するオランダ王室の宮殿「ハウステンボス宮殿」を模した建物をはじめ、ヨーロッパの街並みを忠実に再現している。
広大な敷地には、季節の花々が咲き誇る庭園、石畳の街路、運河、教会、そして複数のホテルが立ち並ぶ。
もともとこの地は戦後、大陸から引き上げてきた人々の上陸地であり、多くの命が失われた歴史をもつ。
造成初期には多数の人骨が発見されたという話もあり、その土壌に眠る“何か”が、今もなお影響を及ぼしているのではないかと囁かれている。
ハウステンボスの心霊現象
ハウステンボスの心霊現象は、
- 正体不明の霊が現れる
- 声が聞こえる
- おかっぱの少女の霊が「おいてかないでぇ」と声をかけてくる
- ホテルの“ゾッとする部屋”の絵の裏に御札が貼られている
- トイレの鏡に兵隊の霊が現れる
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず注目すべきは、その土地の由来である。
ハウステンボスの敷地は、戦時中に引き揚げ者たちが命を落とした地として知られており、実際に造成開始直後には多数の人骨が掘り起こされたという。
このような過去の背景が、心霊現象の源である可能性は否定できない。
また、ハウステンボスの象徴ともいえるドムトールン(時計塔)にまつわる事故も見逃せない。
建設中に4人が転落し、3人が死亡。
残る1人も生還はしたが、深刻な後遺症を負ったとされる。
この事故以来、時計塔周辺では異様な気配がすると報告されている。
ホテルでは、「おかっぱ頭の小さな女の子」が、「おいてかないでぇ」と哀願するような声をかけてくるという証言がある。
その声は、特定の部屋に泊まった者にだけ聞こえるという。
また、霊感のある者によると、ゾッとする部屋には必ず“絵”が飾られており、その裏には御札が貼られているとされる。
まるで、何かを封じ込めているようなその絵の存在が、不気味さをより際立たせる。
ドムトールンの前に建つ教会風の建物にあるトイレの鏡にも奇怪な噂がある。
鏡が合わせ鏡のようになっているその場所で、充血した目をした兵士の霊が現れるというのである。
彼の目は何かを訴えるように生気を失っており、その姿を目撃した者はしばらく悪夢に悩まされるという。
ハウステンボスの心霊体験談
2019年4月。4人の女友達と共に訪れた女性が体験した話がある。
パレスハウステンボスでのプロジェクションマッピングを観覧するため、人混みの中で友人を探していた彼女は、雑木林の中で手招きする3人の姿を目撃する。
しかし、それは友人たちではなく、後に“誰もその電話を受けていなかった”と判明した。しかも彼女が見た手招きする影は、忽然と姿を消していた。
その後、園内を移動する遊覧船に乗った際、橋の上に“自分たち4人とまったく同じ姿の人影”が立っていたという。
その影たちは橋から下を覗き込み、ニタリと笑ったのだ。
まるで、彼女たち自身の“抜け殻”が何かを伝えようとしていたかのように。
ハウステンボスの心霊考察
これらの心霊現象や体験談は、単なる偶然や錯覚とは言い難い共通点を持つ。
まず、土地の由来である。引揚者の霊や戦没者の霊がこの地に根を張っているという話は、まさに土台そのものに霊的背景があることを示している。
次に、事故や目撃証言の多さである。とりわけ時計塔の事故や、兵隊の霊の出現といった軍との関わりを示す事象は、針尾島に存在していた旧軍の施設や、その後のアメリカ軍住宅地の建設とも無関係とは言えまい。
さらに“御札のある絵”など、物理的な“封印”の存在は、この地に流れる霊的な力を押さえ込むための行為である可能性がある。
つまり、ハウステンボスとは「観光地」という顔の裏に、過去の悲しみと霊的因縁が折り重なった、複雑で深い“異界”なのかもしれない。
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