闇に包まれた廃墟、揚川隧道。かつての恐怖が今も封じ込められ、その深淵からは足音や呻き声が聞こえるという。今回は、揚川隧道のウワサの心霊話を紹介する。
揚川隧道とは?
揚川トンネルは、新潟県阿賀町黒岩に位置し、国道49号(国道459号と重複)にかつて存在したトンネルである。
昭和36年(1961年)に二級国道115号線の一部として開通し、その後1963年には一級国道49号に昇格した。
しかし、平成25年(2013年)3月30日をもって全面通行止めとなり、以降は使用されていない。
このトンネルは延長266メートルで、車道幅員が5.5メートル、限界高が4.5メートルとなっている。
車道は2車線で、自転車や歩行者向けの道は設けられていない。
揚川トンネルは、阿賀野川右岸沿いの急峻な斜面に沿った箇所を経由する区間の一部として整備された。
当時の道路規格にはそぐわず、トンネル内は非常に狭く、大型車の行き違いが困難。
トンネル入口付近では、車体上部を接触させる事故も発生していた。
そのため、昭和53年(1978年)から国土交通省新潟国道事務所によって「揚川改良」の事業が進められ、平成25年(2013年)に全線供用開始された。
これにより、揚川トンネルは廃止され、通行止めとなったのである。
通行止め区間のうち、揚川隧道付近はまだ閲覧可能になってました(もしかしたら急に見られなくなるかもしれませんが)。
— よっしー (@ROUTE_YY) February 11, 2020
今は通れない道路の現役時代を見ることのできる貴重な機会だったのですが、非常に残念です。 pic.twitter.com/hHcGTxXlCu
揚川隧道の心霊現象
揚川隧道の心霊現象は、
- 柵の向こう側からうめき声や足音が聞こえる
である。阿賀町の旧49号線に佇む揚川隧道。
かつては命を奪う恐怖の渦巻く場所として知られていた。
その狭く険しい道幅、急カーブの入口出口。
無数の事故が絶えない、闇に飲み込まれた地獄の門だった。
今や使われぬ廃トンネル。
高いフェンスによって封鎖され、人の足を踏み入れることすら禁じられている。
しかし、夜になると、その閉ざされた扉から異音が漏れ聞こえるという。
呻き声や足音、時には不気味なささやきが、闇の中から忍び寄る。
本当にただの廃トンネルなのか?
人々は恐れ、その存在を避ける。
だが、そのウワサは広まり、好奇心むき出しの者たちが夜な夜な訪れるのである。
彼らの報告するところによれば、トンネル内には生きている何かが潜んでいる。
そしてその何かは、人知を超えた者たちのために呼び寄せられているようだという。
揚川隧道、その名を呼ぶだけで震え上がる者がいる。
果たして、その暗闇の中には何が待ち受けているのだろうか。
闇に蠢く呪われた隧道
揚川隧道の夜。星の光も届かぬ暗闇が、トンネルを覆い尽くす。
二人の若者が、足取りを重ねる。
「こ、こんなところに来るのはやめようよ。」片方が口を開いた。
もう一人は懐中電灯を手に取り、不安定な光を投げかける。
「大丈夫だよ、怖いものなんて何もないさ。」
だが、彼らの言葉は、この場所に漂う恐怖を払うことはできなかった。
「ここは、何度も事故があるって聞いたぞ。怖いな。」
もう一人がつぶやいた。
すると、その言葉がトンネルの闇に吸い込まれるように消えたかのように、静寂が戻ってきた。
しかし、その静寂の中には、何かが待ち構えているような気配が漂っていた。
「おい、何かが……聞こえるぞ。」片方が耳を澄ませた。
もう一人は急に動揺し、「いや、気のせいだ。ただの風だろう。」と口ごもった。
だが、そのとき、彼らは確信した。
柵の向こうから、不気味なうめき声や足音が聞こえてくる。
「もうここを離れよう。」一人が恐れた声で言った。
もう一人は同意したが、その足取りは不安定だった。
闇の中で何かが彼らを見つめているような気がしたのだ。
揚川隧道の場所・アクセス・地図
揚川隧道の住所 | 日本、〒959-4623 新潟県東蒲原郡阿賀町黒岩 |
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交通アクセス | 新潟市からいわき新潟線/東北横断自動車道/磐越自動車道 経由で48分 |
最寄りのバス停 | 三川(徒歩9分)県道17号 経由 |
最寄り駅 | 三川駅(徒歩21分)国道459号/国道49号 と 県道17号 経由 |
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