長崎県長崎市にある「旧畝刈トンネル」は、今も車両が通行する現役の道路トンネルであるにもかかわらず、数々の心霊の噂が絶えない場所として知られている。事故多発地帯という背景に加え、女性の霊の目撃情報や不可解な現象が語り継がれている。今回は、旧畝刈トンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
旧畝刈トンネルとは?

旧畝刈トンネルは、長崎市畝刈町と西海町を結ぶ交通の要所としてかつて利用されていた道路トンネルである。
現在では、新畝刈トンネルの開通により一方通行化されているが、完全に廃止されたわけではなく、今もなお車両が通行可能な現役のトンネルである。
新トンネルは2021年1月22日に供用開始され、旧トンネルはその役割を部分的に引き継ぐ形で西海町側から畝刈町方面への一方通行として残された。
旧トンネルの道幅は狭く、大型車両の通行も多いため、かねてより交通事故が頻発していたことで知られる。
そうした歴史的背景と、絶えぬ事故の記録が、この場所に怪異を引き寄せてしまったのかもしれない。
旧畝刈トンネルの心霊現象
旧畝刈トンネルの心霊現象は、
- 女性の霊が出現する
- トンネル内でクラクションを鳴らすと霊が現れる
- 霊に取り憑かれた者が、事故の詳細を語り始める
である。以下、これらの怪異について記述する。
旧畝刈トンネルで最も多く報告されるのが、女性の霊の目撃談である。
霧が立ち込めるような湿った夜、トンネルの中ほどで白い服を着た女が立ち尽くしていたという証言が後を絶たない。
その姿は時に運転手の目の前に現れ、急ブレーキをかけさせることすらあるが、確認するとそこには誰もいない。
中にはそのままパニックを起こし、車を放置して逃げ出した者もいるという。
また、クラクションを鳴らすと霊が出るという奇怪な噂もある。
旧畝刈トンネル内でクラクションを3回鳴らすと、かつて事故で命を落とした霊が現れるとされる。
これは若者たちの間で一種の肝試しとして語られてきたが、実際に体験した者の中には、急に車内の温度が下がった、窓に手形がついた、誰もいないのに後部座席から声が聞こえたなど、説明のつかない現象を訴える者もいた。
さらに異様なのは、取り憑かれたように事故の詳細を語り出す者の存在である。
普段は事故に興味のない者が突然「ここで女の人が轢かれて…」と、まるでその瞬間を見ていたかのように話し出す。
そして話し終えた後、本人はまったくその記憶がないという。
何かがその人の口を借りて、自らの最期を伝えようとしているのだろうか。
旧畝刈トンネルの心霊体験談
ある深夜、仕事帰りの男性が旧畝刈トンネルを通過していた。
ライトに照らされた狭いトンネル内は静まり返っていたが、突如、トンネルの中腹で何かが横切った。
驚いて急停車すると、そこには髪の長い女性が立っていた。
慌てて車から降りて確認したが、すでにその姿はなかった。
その夜、男性は激しい頭痛と嘔吐に襲われ、救急搬送された。
病院では異常なしと診断されたが、彼はうわごとのように「ごめんなさい、私は悪くない…」と繰り返していたという。
旧畝刈トンネルの心霊考察
旧畝刈トンネルにまつわる心霊現象の数々は、偶然や作り話では説明できない点が多い。
まず、事故多発地帯であるという地理的・歴史的事実が、霊的な因縁を深めていると考えられる。
霊は未練を残してこの世にとどまる存在とされるが、命を突然奪われた者にとって、現場はその無念が最も強く残る場所となる。
また、トンネルという閉鎖的な空間が、霊的エネルギーを集めやすいともいわれる。
特にクラクションのような音や振動が、その存在を呼び起こすトリガーとなっている可能性もある。
そして注目すべきは、“語り出す”現象である。
これは憑依に近い状態であり、単なる心霊目撃談とは一線を画す。
トンネルに「棲んでいる」のは、単なる残留思念ではなく、意思を持ち、語りかけ、時に訴える霊体なのかもしれない。
今なお現役のトンネルとして使用される旧畝刈トンネル。
その闇に足を踏み入れる者は、何かを“連れて帰る”覚悟をしておくべきかもしれない。
コメント