富山県魚津市の山間部に、かつて「坪野鉱泉」と呼ばれる温泉旅館が存在していた。
通称、ホテル坪野。
かつては浴場やプール、レストランを備えた観光施設だったが、閉業後は巨大な廃ホテルとなり、北陸地方を代表する心霊スポットとして知られるようになった。
さらに、1996年に起きた女性2人の失踪事件や、映画『牛首村』による再注目なども重なり、坪野鉱泉は単なる廃墟ではなく、“北陸最恐”と呼ばれる場所として語られていく。
坪野鉱泉のような廃ホテルは、ホテルにまつわる心霊話(ホテル一覧)の中でも、人の気配が消えた空間や過去の事件・噂と結びつきやすく、強い恐怖が語られやすい場所である。
この記事では、坪野鉱泉にまつわる噂を断定するのではなく、実際の事件や廃墟化した背景も含め、なぜこの場所が「北陸最恐」と呼ばれるようになったのかを整理していく。
坪野鉱泉とは?

坪野鉱泉は、富山県魚津市坪野に存在していた温泉施設である。
宿泊施設としての性格も持ち、ホテルや旅館として語られることもある。
映画『牛首村』公式サイトでは、坪野鉱泉を「富山県魚津市・史跡『坪野城址跡』の裏に位置する温泉旅館の通称」と紹介しており、北陸随一の心霊スポットとも説明されている。
ホテル坪野は、1970年ごろに開業したとされ、浴場、プール、レストランなどを備えた観光施設だった。
営業当時は、家族連れや観光客が訪れる華やかな場所だったが、1982年に閉業。
その後、周辺施設は解体されたものの、ホテル本体は長く残され、いつしか廃墟として知られるようになっていった。
閉業後の坪野鉱泉は、暴走族や肝試し目的の若者が集まる場所となり、心霊スポットとしての噂も広がっていく。
坪野鉱泉女性失踪事件
坪野鉱泉を語るうえで大きな出来事が、1996年に起きた女性2人の失踪事件である。
2人は「肝試しに行く」と言い残して行方不明になったとされ、長年、事件は未解決のままだった。
しかし2020年、富山湾の海底から、失踪当時に乗っていたとされる車が引き上げられ、車内から複数の人骨が見つかった。
この出来事によって、坪野鉱泉は再び大きな注目を集めた。
ただし、失踪事件そのものと心霊現象を直接結びつける根拠はない。
それでも、長年「神隠し」のように語られてきた事件が、実際の車両発見によって現実の出来事として再認識されたことは、坪野鉱泉の不気味な印象をさらに強めたのだろう。
坪野鉱泉で語られる心霊現象
坪野鉱泉で語られる主な心霊現象は、次のようなものである。
- 女性の霊が出る
- 水死した子供の霊が出る
- 自殺したオーナーの霊が出る
- 建物内で声が聞こえる
- 車が故障する
- 手形が残る
- 神隠しに遭う
特に有名なのは、プールで子供が亡くなったという噂や、経営者が自殺したという話である。
ただし、これらについては確かな記録として確認できるものが少ない。
そのため、記事では事実として断定せず、あくまで噂として扱う必要がある。
坪野鉱泉の心霊話は、実際の失踪事件、廃ホテルの不気味さ、閉業後の荒廃、若者たちの肝試し文化が混ざり合うことで形成されていったものと考えられる。
映画『牛首村』と坪野鉱泉
坪野鉱泉は、2022年公開のホラー映画『牛首村』によって再び注目された。
映画の関連紹介では、坪野鉱泉は富山県魚津市の山間に存在する実在の心霊スポットとして紹介され、ロケ地としても話題になった。
映画化によって知名度が上がった一方で、県内外から若者が訪れるようになり、不法侵入や迷惑行為も問題になった。
この流れも、後の解体撤去計画につながった要素のひとつだと考えられる。
現在の坪野鉱泉
坪野鉱泉は、現在では解体済みとされている。
2023年9月には解体撤去工事に向けた安全祈願祭が行われ、魚津市が観光庁の補助金を活用して撤去を進める計画も報じられた。
また、2024年5月時点では、現地を訪れた記録として「坪野鉱泉が解体された」とする投稿も確認できる。
かつて北陸最恐と呼ばれた廃ホテルは、物理的な建物としては姿を消した。
しかし、坪野鉱泉の名前は、事件、映画、心霊スポットとしての記憶とともに、今も語られ続けている。
なぜ坪野鉱泉は“北陸最恐”と呼ばれたのか
坪野鉱泉が恐れられた理由は、単に「幽霊が出る」という噂だけではない。
この場所には、恐怖を生み出す要素がいくつも重なっていた。
かつて栄えた観光ホテル。
閉業後に残された巨大な廃墟。
山中という孤立した立地。
失踪事件。
若者の肝試し。
映画化による再注目。
そして、解体されるまで長く残り続けた建物の存在感。
これらが積み重なることで、坪野鉱泉は単なる廃ホテルではなく、“行ってはいけない場所”として語られるようになっていったのだろう。
場所から考える心霊考察
坪野鉱泉の噂を考えるとき、重要なのは「本当に幽霊がいるのか」ではない。
なぜ、この場所にこれほど多くの恐怖が集まったのかである。
ホテルは本来、人が泊まり、食事をし、楽しむ場所である。
しかし、廃業して人の気配が消えると、その明るかった記憶は反転する。
誰もいない客室。
壊れた窓。
暗い廊下。
かつて賑わった施設ほど、廃墟になったときの落差は大きい。
坪野鉱泉は、そうした「賑わいの記憶」と「廃墟の沈黙」が強く重なった場所だった。
そこへ失踪事件や心霊の噂が加わることで、人々はこの場所を“ただの廃墟”ではなく、“何かが残っている場所”として感じるようになったのかもしれない。
まとめ
坪野鉱泉、通称ホテル坪野は、富山県魚津市に存在していた温泉旅館である。
1970年ごろに開業し、浴場やプール、レストランを備えた観光施設として親しまれたが、1982年に閉業したとされる。
その後は廃墟となり、女性の霊、神隠し、車の故障、手形など多くの噂が語られてきた。
1996年の女性2人失踪事件、2020年の車両と人骨の発見、映画『牛首村』による再注目、そして解体撤去。
坪野鉱泉は、実際の事件と廃墟の記憶、そして人々の恐怖が重なり合って作られた心霊スポットだったのだろう。
現在、建物はすでに姿を消したとされる。
それでも、坪野鉱泉という名前は、北陸の心霊スポット史の中に深く残り続けている。
関連する心霊話
関連記事
関連する一覧ページ
注意点
坪野鉱泉は現在解体済みとされているが、跡地や周辺地域には住民の生活がある。
また、過去には不法侵入や迷惑行為が問題となっていた。
心霊スポットとして語られる場所であっても、土地所有者や地域住民への配慮は欠かせない。
興味本位で現地へ押しかけるのではなく、噂や記録として距離を取りながら考える姿勢を大切にしたい。
坪野鉱泉の場所・アクセス
| 坪野鉱泉の住所 | 〒937-0827 富山県魚津市坪野付近 |
|---|---|
| 交通アクセス | 北陸自動車道「魚津IC」から車で約20分。周辺は山あいのため、車での移動が現実的 |
| 最寄りのバス停 | 坪野口/富山県魚津市、北山鉱泉前、坪野(旧地鉄バス停前)周辺 |
| 最寄り駅 | あいの風とやま鉄道「魚津駅」・富山地方鉄道「新魚津駅」方面から、車・タクシー・魚津市民バス利用が現実的 |







コメント